サムライ8八丸伝 感想・考察ブログ!

週刊少年ジャンプ連載・サムライ8八丸伝の感想、考察ブログ。

サムライ8八丸伝第2話:空からの訪問者 感想(ジャンプ25号)

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結局・・・最初に食べたのタコ焼きだったのね。 八個の丸、八丸・・;

 

今週はまた超個性的なキャラが出てきましたねぇ~…! 

 

己を叱咤する「右手くんのオレ」と、やや過保護な「左手さんの私」と、傍観しつつ迷う「ボク」。  気怠そうで中性的…というより、もはや性別とかの分類を超えるキャラ、モサふわっとした名無し君(仮称)。 この気だるいモサふわ感は「大久保先生の絵」だからこそ醸し出される緩い雰囲気なのかな・・・ 

 

だけどこのモサふわ君、内に熱い情熱、爆発的な強さも秘めていそうな気がする。

 

 大久保先生の絵と言えば、表紙の「のどかな光景」にも癒されるましたが・・ なんといっても今週はコレ・・

 

「128~129頁の大迫力の見開き」の圧巻! 

 

 ページをめくって飛び込んできたのは、壮大にして美しい「この世界」。 ファンタジーな美しい景色がそこに広がっていた。 一気に視界が開けた「開放感」の、なんと爽快なこと・・ 八丸が感じたような新鮮な感動が、バンとこちらに飛び込んでくる。 まさに《ワクワクしかねェ》!! 

 

 八丸にとっても「事実上初めて見るこの世界」だけれど、読者にとっても「初めて見るこの世界」なんですよね(今までに見たのは「八丸の家周辺」だったり、せいぜい「父ちゃんがキィ~ンと飛んでる絵」ぐらいだった)。  読者も、八丸と一緒になって体感する《初めて見る世界のワクワク》…しかも空からの景色、早太郎に乗った気分。この世界の描写、あえてここまでとっておいたんじゃないのかな・・ 読者も「八丸の感動」を一緒に体感できるように!

  

 自然と調和した美しい街並みと、遠くの美しい山々と・・・画面中央を中心点として広がっていく景色の距離感や、雲の配置が感じさせるスピード感や「風を受けて ふわっと浮上るような空気」・・・それと風の流れ。 カラーじゃないのに、なぜか「眩しい」光やあたたかな空気を感じるのは、《八丸と一緒に感じるワクワク》のせいなんだろうか。 そしてこの「ワクワク」こそ、作者が伝えたかったものだろうと思うんですよね。 自分から外に向かっていけば…きっとワクワクがあるんだぞ!っていう。

 

 そして、その「自分から向かっていけば」って事に関してなんですが・・前回第1話にこんなセリフはありましたよね、

 

「これからは待つだけではない こちらから向かえに行ける」

 

八丸が侍になって、これから父ちゃんを助けに行こうっていう時の達磨師匠のセリフなのですが・・実は先週の感想では「あえて触れないで」放置しちゃいました。 というのも、この「向かえ」の部分が気になって・・・通常だったら、ここは「迎えに行ける」のはず。 なのに「向かえ」になってる・・・「向かえに行ける」って言葉はない。

 

 はたして、これは意図的に「向かう気持ち」を強調するために「向かえ」にしたのか・・あるいは単純な誤植か(たまにそういう事もある)。 そのへんがよく分からなかったから、触れるべきか触れないべきか迷って・・結局、放置。 だけど、今週第2話を読んだら、やっぱりコレは「意図的」だったんじゃないかとも思えてきました。 「自分から向かっていく」能動的な気持ちを強調して、「迎え」と「向かう」を掛けて、あえて造語的な「向かえ」にしたのかな・・と(コミックスで訂正されるかどうか?)。

 

 で、ついでにその「向」の漢字なんですが、もとは「屋根と穴」を意味するらしいんです(たしかに屋根のある建物に穴が開いてる感じがしますよね)。 そこから空気が出て外に「向かう」ようなイメージで。 コレって、今週「八丸が名無し君の家の屋根に穴をあけちゃった絵」にそっくりなような・・・ 八丸が使った「新手の不法侵入(?)」方法は、まさに「向」だったというわけです(あくまで個人的解釈、こじつけ解釈です)。 名無し君を外に向かわせるための「穴」・・

 

 名無し君、たしかに相当変わってるとは思うんだけど、実はそれほど変でもない‥ような気もするんです。だって、誰でも「右手君と左手さんと傍観する自分」を持ってるんじゃないかと思うから(声に出して独り言を言わないだけで)・・  

「行動するかやめとくか」迷って喧嘩する声は、私の中にも常駐してる。 

 

《決めつけて何もせん侍は パンツを被っているのと同じだ》 (達磨師匠)

 

 ・・これ「刀を鞘から抜かないことには斬れ味は分からん」って意味らしいけど、これじゃあちょっと何言ってるのかわかんない・・  でも、名無し君はたしかに「パンツを被ってる」状態だったと思う。

 自分「なんか」とか「外は怖い」と決めつけて、外を見ようとしなかった… そして「外から自分は見えてない」と思ってた。  いやいや、パンツ被って隠れてるつもりでも・・・外からはちゃんと見えてるから(笑)

 

まずは思い切って、かぶったパンツを外してみよう・・!!ってな話ですよね。 ま、そこ「パンツ」で例える必要性については疑問ですが・・ もっとも、岸本先生が「パンツ」とか「う●こ」で語る時は、たいてい「大事なメッセージ」がそこには在る・・(と私は思ってる)。

 

 特に若いうちには「まずやってみたほうがいい」、これは絶対にそうだと思う!  やらないで後悔するより、失敗して経験値にするほうが絶対にいい。 告白するかしないか迷ってる人は、とりあえず告白してみるべき・・!

名無し君は「傷つくのが怖い」というより、プライドが高いのかなぁ・・失敗した時の他人からの評価が怖くて、認められ願望が強くて、「ランキング2位」の評価を得ているゲーム世界の外に出たくない・・ そして切っ掛けを作れずにいる。  

 その名無し君のパンツを外してやったいや外の世界に一歩踏み出すための切っ掛けをあげた)八丸ですが、やはり彼は「相手の心を読む」天才かもしれない。会ったばかりの名無し君の心の内を、ずばり見抜いちゃいましたもんね・・

 

 でも…それに対する名無し君の反応は、

「いいかい!!気ままに外に出れて! あこがれの侍で! カンタンに友達なんて言葉使う奴が」 

「ボクの事なんて分かるわけないだろ!!!」だった。

これ、第1話で八丸も同じようなこと言ってるんですよね。 達磨に「父親想い」を見抜かれて、同じような反応をしている・・


「いくら師匠でもオレと父ちゃんの事は知らねーだろ!?」と。

 名無し君の反応は、この前の自分とおんなじ・・・

 

だからこそ、八丸は放っておけなかったのだろうか。 名無し君の「友達が欲しい!」想いを開放させる切っ掛けを作ってあげたくなったのだろうか。

 

八丸って、今まで外の世界を知らなくて、他人との付き合いも無かったはずなのに・・なぜか「相手の気持ちを慮ったり、心を読む」のが、すごく上手い。 配慮とか、空気読むとか、忖度とかも「経験しながら」覚えていくものなのに・・・経験しながらも出来ない人多いってのに、八丸は相手の心を読めてしまうのだから。

 それは、いつも「八丸の事を想ってくれてる」父ちゃんのおかげなのか… それとも、早太郎という「ニャンとしか言わない犬」と一緒に居るからなのかな・・?

 

 以前、NARUTOの「キバ」についての記事で、彼の「意外と人の心を読めるところ、敏感に察するところ」について考えたのですが(※「キバの嗅覚について」)、「ワン!」しか言わない赤丸とのコミュニケーションのおかげで、彼は人の表情や雰囲気から気持ちを察するのがうまくなったのではないか・・という仮説?に落ち着きました。 もしかしたら、八丸も・・「ニャン」しか言わない早太郎の言葉を読み取っているから(今週も見事に会話が成り立っている)、他人の気持ちに敏感で「心を読める」のかなぁ…と。

 

そしてもう1つ・・八丸にはいつも「感謝」の気持ちがあるから、相手の事を想えるのかなぁとも思うんですよね。 今週第2話の中だけでも、八丸の「ありがとな」はこれだけ出てくる・・

  

「あの時… 刀を持ってきてくれて ありがとな」 (早太郎に)

 

「ありがとな…早太郎」 (空から世界を見せてくれた早太郎に)

 

「ありがとな」

(あしたあさってしあさって…ワクワクしかねぇって思わせてくれたのが)

「そう思わせてくれたのがお前だから」 (名無し君に)

  

・・3回も言っている。

 

 しかも、どの「ありがとな」も、当たり前的な社交辞令的な「ありがとう」じゃあないんです。普通だったら、あまり「ありがとう」って言わない場面でのありがとうなんですよね。 

 

 刀を見て、ふと「あの時早太郎が刀を持ってきてくれた」と思い出して、感謝してる。 普通はそこまで「おかげ」とは思わない・・

それに2つめの「ありがとな」も、上空からこの世界を見て「最初に」言った言葉なんです 普通だったら、まず最初に「ヤッベェ~!」が来ると思うのに、「!」→「ありがとな」→「ヤッベェ」の順なのです。「感謝」が最初に来てるってのが、すごい。

 

 3番目の名無し君に対する「ありがとな」なんてますます凄い。 本来なら、名無し君のほうが「ありがとう」という側だと思うのに… 面白い出会いをくれた相手に「感謝」するって・・誰でもできる事じゃあないですよね、コレ。

 

八丸が、何事にも「ありがとう」の感謝の気持ちを持てるってのは・・今まで「何も出来ない」不自由な状態だったからこそだと思うんですよね。

 

 流動食しか食べられない…出歩けない、寝返りさえも出来ない…ホント「出来ない」だらけだった。 ごく「当たり前」のことが、八丸にとっては全然当たり前じゃなかった。 だからこそ、すべてが「嬉しくて、眩しくて、ありがたい」・・・八丸は「ありがたさの有難さ」をよく知っている。 

 そして今までの苦労の分、何でも「ポジティブ」に受け取れるのかもしれない。 嫌な事よりも「いい事」を考えたり・・不安より「ワクワク」を感じたり、「変」を「面白い」と捉えられたり・・ これらははきっと、八丸ならではの大切なモン・・「強さ」になっていくんじゃないかと思います。

 

 「タコ焼きを幸せそうにほおばる八丸」の姿に、あたりまえの「有難さ」、幸せ、ワクワクを教えてもらった気がする・・・ありがとね、八丸。 

 

 

んーーー・・・なんだか、たこ焼きが食べたくなってきたぞ(笑) 

 

 

 

 

☆長駄文、読んでくださって感謝。

 ☆ここのブログまでたどり着いてくださった方、本当にありがとう。

 

 

☆道場にある不思議な侍の玉ってロッカーボール? ということは・・名無し君・・?

 

☆「賭け」とかブタさんの「三下発言」など賭け事由来の言葉が出てきましたけど、「八」は賭け事でも縁起のいい強い数字ですしねぇ・・

 

☆ファンタジー的な風景や、柔らかい表情は「大久保先生」っぽいのかなとも思ったり、一方で八丸の表情(笑顔の目の線や、笑った時の口角)は岸本先生のと似てるなと思ったり・・  それに「ありがとう」じゃなくって「ありがとな」とか、八丸のべらんめぇ口調にナルトっぽいところ感じたりもして・・

 

☆すっかり進化した早太郎、「洗練されたラインに二次元的なデフォルメを追求した」というか・・どこかデイダラのC2ドラゴンのようでもあり・・だけど一層「ニャン」と甘える姿が可愛らしくなった。

大久保先生は、犬を飼ったことがあるのかな…? 表紙の伸びをしている姿や、服をくわえて散歩をせびる姿が、いかにも日常の犬っぽくて可愛らしい。。

 

☆岸本先生も、NARUTOの長~~い連載が終わって、やっと外に出られて・・八丸のような気分だったのかな;

 

☆今週は、NARUTOの雑考記事でも‥と思ってます(ナルトのブログのほうに・・だけど) 

 

  

  

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(サムライ8八丸伝感想・雑考ブログ!  2019/05/20)