サムライ8八丸伝第1話「1つめの鍵」感想 その4 父ちゃんと八丸の「愛のカタチ」 (加えて「不動明王、三輪身」などの意味)
子が元気に幸せに育ってほしいとか、何があっても守ってやりたいってのは、きっと世界中の親共通の想いなんだろうと思う。 八丸父ちゃんのセリフにも、親ならきっとみんな共感・同意するんだろうなぁと思える言葉がいくつもあった・・
だけど「愛情のカタチ」ってのは、人さまざま、家族さまざま・・・ おそらく親子の数だけ「愛情のカタチ」もある。 八丸と八丸父ちゃんにも、「彼らならでは」の愛情のカタチがあるんじゃないのかな…?
で、「この親子ならでは」の愛じゃないかと感じたのが、それぞれのこのセリフ。
父ちゃんの「いくら嫌われようが お前を守る為なら何とも思わん それが親だ!!」。
そして、八丸の「父ちゃんが… 無事に早く帰ってきますように」。
親ならば「何としてでも子を守りたい」もんだろうし、それに…たしかに「甘やかしてばかりじゃダメで、時には“このくそじじぃ!”って言われようが叱るときは叱る!」ってのもあるんだと思う。 「それが親だ!」っていうのがね・・・ (もちろん絶対に子に嫌われたくないっていう親もいると思うけど)
それでも、「嫌われクソじじい役」に徹する世の父ちゃんも、日ごろは「なるべくおいしいものを食べさせて、痛い目に合わせないようにしたい」って思うんじゃないだろうか。 まずいものを食べさせて、痛い目に合わせて…なんて、なるべくはしたくないはず。
でも、八丸父ちゃんの場合は それをしなくちゃならないんですよね・・ 八丸を「守る」とは「生かす」ことであって、とにかく「八丸に生きててほしい」という厳しい現実と向き合っている。 だから、このセリフは「世の父ちゃん共通」というよりも、「この父ちゃんならでは」の、八丸父ちゃんだからこその愛のカタチとも言えるような気もするんです。
子を痛い目にも合わすし、まずいモノを与えたりもするし、泣かせもするし、拘束もするなんて・・・もし事情を全く知らない人が「それだけ」聞いたら、八丸父ちゃんは「とんでもない毒親」だと思ってしまいそう; でも真実は「そうしないと八丸は生きてられない」…嫌われ役を引き受けることこそ、八丸父ちゃんの愛情のカタチでもあった。
で、もちろん八丸だって、父ちゃんの想いをよ~く分かってるんですよね。 だからあの装置の事も「父ちゃんが造った」とは言わず「父ちゃんが造ってくれた」と言ってる…
文句言ってはいるけれど、本当はありがたいってちゃんと感謝してるんですよね。
厳しい状況に生まれて、辛いだろうに…親に「感謝」できるなんて、恨まず有難いと思えるなんて、いい子なんだなぁ。
そして八丸の「父ちゃんが… 無事に早く帰ってきますように」。 ここに八丸の本当の想いがありますよね。 「無事」にも、それに「早く」にも・・・八丸の「父ちゃんへの想い」を感じてしまう。心配でたまらない、その想いを・・・
でもこの少し前、父ちゃんが「少し出かけてくる」と言った時には、八丸は「少し出かけるねえェ… 何年も帰って来ないなんてことにならなきゃいいけどさ!」「フン!」と皮肉をいいまくって怒ってるんですよね。 父ちゃんの言う「少し」は、全然少しじゃなかったりするらしいし… 移動型生命維持装置についても、「もう少しで完成…なんだろ? …それもう何年も言ってんだろ? 父ちゃんの“少し”って何年間の事だよ?」と父ちゃんに怒りをぶつけてる。 「少し」って実は全然少しじゃない・・これ、よくあるパターン。 簡単に「少し」をつけてごまかすこと、私もよくやってる気がする・・;
だけど、八丸の父ちゃんの「少し」は、いい加減なごまかしの「少し」じゃない気がするんです。 父ちゃんは、心配かけないように「少し」とサラッと言ってるような気がするんですよね。 でも、その「少し」が実は「命がけで危険な事」だったりする… それを隠して、心配かけないようにするための「少し」じゃないのかな。
で、今までにも「少し出かけてくる」と言っては なかなか帰って来ない…そういう事があったんじゃないだろうか?
・・・八丸はそれに気付いていて、父ちゃんが「少し」と言って出かける時は、自分のために無理をして、危ないことをしてるんじゃないかって・・・気づいてるんだと思う。 父ちゃんの「少し」は、心配をかけないための「少し」だって・・分かってるんだと思う。 だから心配でたまらなくって、《無事に、とにかく早く》帰ってきてほしい。 八丸の《早く》に切実な想い、心配を感じてしまう。 無理する父ちゃんが心配でしょうがない・・ 生命維持装置を「早く」完成させる事より、父ちゃんが無事に「早く」帰ってくることのほうが、八丸にはずっと大切なはずだから・・
それだけに、父ちゃんの《少し》という言葉には、敏感に反応してしまうんじゃないだろうか。 そして・・イライラとしてしまう。
八丸は「父ちゃんにあたっちまった」と言っていたし「父ちゃんが悪い」とも言っていたけれど、八丸がイライラしてたのは本当は「父ちゃんが口先だけなこと」に対してじゃあないんだと思う。 ホントは「自分が動けないばっかりに 父ちゃんに危ない目に合わせてしまってること」へのイライラであったり、それに父ちゃんの愛情に「恩返し」出来ない自分へのイライラ… さらに父ちゃんを想い心配する落ち着かないイライラ…
八丸の怒り・イライラも、父ちゃんを想う気持ちの「1つのカタチ」なんじゃないだろうか。
父ちゃんの《時には痛い目に合わせてまずいものを食べさせて、嫌われるようなこともする》というのも、なりふり構わず「子を守ろうとする」愛のカタチ。
八丸の《イライラして怒りをぶつけてしまう》というのも、「親を想い心配する」愛のカタチ。
何も事情を知らずに表面だけ見たら、この親子の「実は互いを深く思う愛情」のカタチは見えないもしれない・・・ やっぱり、目に見えるところに真実はない。
そして、この親子の「愛情のカタチ」は今後 何らかのヒントになっていくんじゃないか…なんて想像しています。 この宇宙世界に在る「愛」も、簡単には「愛」とは分からないカタチで存在しているのかも・・・。
次回、侍となった八丸は、どんな世界を見て、どんな出会いをしていくのかな・・。
☆長駄文、読んでくださって感謝。
☆最後に… 第1話に出てきたワードあれこれですが。
☆いわゆる「パンドラの箱」とは:ゼウスがパンドラに渡した箱で、パンドラが開けると各種災いが飛び出し、中には希望だけが残ったという。 サムハチ世界では「星々を救う方法」が中に在るらしいけど。
☆いわゆる「不動明王」とは:大日如来の「三輪身」の姿(教令輪身)。五大明王の中心的存在。「八大童子」を従えている。 サムハチ世界では「武神」。
三輪身とは本来、仏の3つの化身姿のことで、サムハチ世界での「三輪身」とは、不動明王の力を得た化身ということかな。
☆本来の金剛夜叉明王とは、同じく五大明王の一人、「敵や悪を暗い、善を守る聖なる力の神」らしい。 他の明王の名前も出てくるのかな。
☆いわゆる「童子切高綱」:平安時代の名刀で、酒呑童子を斬った太刀として血吸の名があるらしい。
(ちなみにウィキによる)
☆早太郎って、新選組の安藤早太郎(弓の名手、剣士)からなの??(分からない)
☆たまに「八太郎」とか書いてしまう;
☆上記、もし違ってたら教えてください;
まだ読んでない方は是非! https://t.co/O6yoIZTGCZ
— ぱぴ (@papi_naruto) May 17, 2019
(サム8感想・雑考ブログ! 2019/05/17)