サムライ8八丸伝 感想・考察ブログ!

週刊少年ジャンプ連載・サムライ8八丸伝の感想、考察ブログ。

サムライ8八丸伝第5巻(完結)感想です!

お久しぶりです! 

 

サムライ8八丸伝第5巻買いました!(といっても家から出てないので、電子書籍で)。

 

あらためて・・「完結」しちゃいましたなぁ・・;(5巻で)・・

 

いや、サムライ8が終わってから今日に至るまで この間、世界はホント大変な状況になりました。まさか、ここまでになるとは・・

 

 サムライ8最終話の感想で、こんなこと書いたんです・・《外の景色を見ること、自由に出かけること、好きな物を食べること、友達と会うこと、買い物をすること・・我々にとっては「当たり前の日常」でしかないんだけど、八丸にとっちゃ全部が「非日常」だった。 全てが夢のようで、もし叶うなら死んでもいいと思うほどの「最高な幸せ」だったはず。 我々は その有り難さに気づいてないだけ。 でも、八丸はその有り難さをすご〜く感じて「これは当たり前の事じゃない」と思ってたと思う》・・ 

 

でも、今我々は かつての八丸に近い体験や想いを抱いているわけでして。

 

 家にこもって自由に出かけることもなく パソコンにばかり向き合い、人ともほとんど会わず、健康状態に気を遣って・・・ そして、いつ自分がどうなるかもわからない・・・いやでも「死」ってもんを身近に考えるようになりました。

 

サムライ8は「死をどう考えるか」の物語(でもあった)。

 

 なにしろ、サムライ8八丸伝は《主人公がいきなり「死」を選んで》話が始まりましたから、こりゃ重いわと・・  NARUTOでも後半は《死》が続きましたから「いかにも岸本先生らしいなぁ」と思ったり、あるいは「またこれですか?」とも思ったり。

 

 特に「主人公が死んでしまったってのに、他の仲間はさほど悲しみに暮れることなく、当たり前のように楽しく旅を続けるラストは衝撃でした。 なんだか「死」は特別扱いじゃないんですよね。

 

・・・そこで気になったのが、2014年NARUTO連載終了後の岸本先生のインタビュー。

 

 

「やはり、バトル漫画なので『死ぬ』ということから逃げずにしっかりと描いていこうとは決めていました。死ぬべき時は無理をせずにそうしようと」

 

「死って意外なほど突然来るんですよ。それまで、例えば自来也の死のシーンとか、わりとねちっこく演出することもありましたが、ネジの時はそれをあえてやめました。死は突然だし、戦場の中で感傷に浸る余裕もない。いつ誰が死ぬか分からないという覚悟がないといけないし、丁寧に描き過ぎればウソくさくなる。でもナルトたち仲間のひとりひとりがネジを思い、何かを受け取る。そこでネジの思いを“鳥”に、十尾の尻尾を“檻”に見立てて、檻から飛び立っていくというシーンが描けたのはよかったなと思います」

シネマカフェ、ナルト作者インタビューより)


そうなんですよ、ネジの死の時・・あまりの「アッサリ描写」に、めちゃくちゃ戸惑いましたもん・・ でもそういう事だったんですね。

 

戦争中に限らず、「死」は突然やってくる。  コロナという厄災に見舞われることとなり・・ 戦争を知らない我々でも、いつ突然人生が閉じられるのか分からないという「死」を突き付けられる現実に向き合っている。 

 

サムライ8を最後まで読んで感じたのは、《これは流れ星がすーっと夜空に走って消えるまでの、八丸が願いを叶えた3分間》の物語だったということ・・(3分間とは=八丸が生命維持装置を外して生きられる時間。ナルトが嫌いな「ラーメンが出来上がるまでの3分間」ではない)。 死を迎えるまでの「時間制限=死へのカウントダウン」を意識すれば・・その間に「あれもこれもやってみよう」と精一杯全力で生きてみようと思う。 なんだろ、サムライ8はメメント・モリ(死を意識する=精一杯生きる)的な物語だったのかな。 「流れ星」は、まさに「消えるまでの時間」を象徴していて・・ただし、それを「儚い一瞬」と捉えるのか、「ずっと記憶に残る濃い時間」と捉えるのか。

 

だいたい「侍」ってのは一度死んでるわけでして、あの世に行くまでに与えられた猶予時間みたいなものだったのかなと・・  八丸は、その時間を短いけど濃く精一杯生きて「やってみたかったこと」を叶えた。

 

そして八丸が最後にたどり着いたのは、朽ちないサイボーグの「侍の身体」にこだわるのではなく、「想いこそ永久に残って生き続ける」という答えでした。 

 

大切なものほど目に見えるところにはない・・・「想い」こそ大切なんだと。

 

悟りを得た八丸は「朽ちない肉体」へのこだわりを捨て、心満たされて穏やかな表情で「昇天」した・・

 

 

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そうか・・そういう事だったんだ・・

 

 

これって、まさにサソリの《永久の美》・・・

 

サソリは「永久の美」について、かつては「朽ちない傀儡人形こそ永久の美」と考えていたんですよね。 だから「傀儡の体」にもこだわった。 だけど穢土転生されて、後輩のカンクロウと再会して・・カンクロウがサソリの傀儡とサソリの想いを大切に受け継いでいる事を知って、「傀儡そのものではなく、そこに宿る想いこそ永久」なのだと知る・・

 

そしてサソリは心満たされて「昇天」します。 

 

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フッ・・それこそ・・オレが望んだ芸術の形か・・


(NARUTO55巻より)

 

 

これが八丸と重なる・・・ 

 

 ナルト達も「死」と向き合い、肉体は朽ちても「想いは繋がれる」と信じ、憎しみを乗り越えていくんですよね。  

 

 

「死」を考えるという事は同時に「生」を意識する事であって・・・どっちかというと、私は「生」に目を向けたい。 「生」の有難さを感じ、たとえ「一瞬」であろうと力強く生きてみたい。

 

 デイダラアートの「一瞬の美」ってのも、「忍は死に様的な儚さのことだったらしいけれど・・・「一瞬であろうと力強く輝く逞しい生命力の美しさ」にこそ その価値があるような気がします。  まさに「芸術は爆発だ!瞬間瞬間に生きる!」(岡本太郎)的な・・ 

 もし、デイダラも「一瞬の美」について「新しい忍世界を象徴するような答え」を見出していたら・・彼も「昇天」出来たのではないか・・などと思っていますデイダラは昇天できず「封印」で終わってしまったのですが・・詳細は後日、ナルト好きブログのほうで)

  

 サムライ8のラスト、仲間たちは(意外なほどあっさりと)八丸の死を受け止めて ニコニコしながら未来を見つめているんですよね。 アッサリなんだけど・・しっかり前を向いて「生きていく」。 

 死と、そして生と・・今なら(今だからこそ)この物語を読んで思う事、考えさせられることは多々あります。 それでも、やはり(何事もない時には)テーマとしては やや「難解」だったんじゃないかと思います。

 

  連載前から公開されていた、大久保先生の絵から感じる「ほわ~~んと幻想的で柔らかな世界観」と・・ いざ始まってから感じた「どっしり重たいテーマ、死のにおい」。 このギャップを受け止められず、水と油がうまく混じってない感じに違和感を感じてしまい、作品の方向性がよくつかめないまま ずっと読んでいました(個人的な感想です)。 

 

 コミックス5巻にも 大久保先生の「連載前ラフイメージ画」があるけど・・・もう、すっごく美しいんです!! もはやストーリーはいらないから、絵だけ見ていたいと思うぐらい;絵を見てるだけで「その世界」を想像してワクワクしてしまう。感動します。

 大久保先生の風景が美しいだけに「セリフだけで進む話」の時とか、真っ黒に塗りつぶした宇宙が舞台じゃあ もったいなかったなぁと・・・もっともっと、ラフ画のような世界を見たかった!  深いテーマをほんのり提示しながらも、全面的に「幻想的で柔らかく不思議な大久保先生の絵ならではのファンタジー的世界」感を強く出していれば、印象は変わったのではないかとも思ったりで・・(超個人的な感想です)。 

 

ま、第1話のつかみからして、ちょっと違ったかな・・と思う部分があるのですが、これはNARUTOとの比較になっちゃうので、詳細はいずれナルトのブログのほうで(ということで)。 

 考えさせられるメッセージ性の強い「サムライ8八丸伝」だっただけに、いい作品にもなっただろうに・・・ う~~ん、いろいろと残念だけど、なにしろ「スルメマンガ」ですから。 完結した後こそ、本来の旨味が出てくるかもしれません。

 

 

 そういえば、設定画によれば苺ちゃんの本名は「衣千五」だったらしい。 舌を出して「るっせーな」と言ってる・・ あれ、ちょっとキャラ違うけど・・こっちのほうがいいなぁ。  前の巻にあった「八丸の設定画」も、設定画のほうがいいなぁと思ったし、不動明王の設定画にしても、やはり設定画のほうが逞しくて強そう。

 

 

・・・あぁああ;それにしても 結局「竜」の本名はなんだったんだろうな??

 

 

  

☆大久保先生のラフ画集、欲しいなぁ・・

 

☆岸本先生、どうか次回作を!(次回は絵もぜひ!!)

 

☆はやくコロナが収束しますように・・!!

 

☆駄文、読んでくださって感謝!!!

 

 

 

 

 

サムライ8八丸伝感想・考察ブログ! これにて終了いたします。

読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

☆あ、ナルトの考察は続けます!!

 

 

2020年5月13日