サムライ8八丸伝 第8話「ゆっくりでよい」感想
《何をするにも簡単にはいかぬもの だがそれが当たり前だ あせる事はないのだ・・そのうちうまくいく だから・・ゆっくりでよい》 (達磨)
ラストで、アタ(敵)が「ゆっくりはしてられん!」と言ってるのとは好対照。
どうやらアタは「時間制限付き」らしいから、達磨の《ゆっくりでよい作戦》が功を奏しそうな予感・・・
さて、今週のサムライ8八丸伝・・アンの名前の由来が《阿吽(あうん)》とわかりましたね(達磨の推測だけど)。
達磨によれば「阿吽」とは始まりと終わり、その間に多くが混在しててカンタンには繋がらないという事らしい。 それで、アンが自分の名前を言うのに「ア・・・・・ン」って時間がかかるんですね;
ちなみに「阿吽」には「宇宙の始まりと究極」という意味もあるらしいので、アンの名前は「宇宙規模の壮大な名前」ってことになる。
そして、面白かったのが「この絵」↓↓
アンが「ア・・アーーー・・ン」とゆっくり名前を言う場面なのですが、ちょっと面白いと思うのは、この絵の「配置」。
ちょうどこの前、余談として第4話「親子ゲンカ」感想(その1)で「阿吽」の話と、「阿吽の狛犬の配置」について書いたばかりですが、神社などに置かれる狛犬は こういう配置になっている↓↓↓
この際、絵がヘタクソなのは勘弁してもらって(あくまで例ってことで・・)つまり、アンの絵も「阿吽像」と同じ配置に描かれているのです。 右のアンは「阿」と口を開いて、左のアンは「吽」と口を閉じてる・・
でも、気になるのはそこじゃなくて・・・「真ん中に八丸が居ること」なんです。
阿吽の狛犬は、神社やお寺を守るように両脇に控えていて、鳥居の両脇に居ることも多いですよね。 つまり、八丸は神様仏様ポジションに居るってことになる。
ま、「この絵の構図」が、偶然なのか意図的なのか、もはや不明ですが・・それでも、やっぱりちょっと気になっちゃう。 (始まりと終わりの間に「八個の丸がある」と解釈も出来そうなんだけど) アンの名前の由来は分かっても、肝心の「八丸の名前の由来や素性」はまだ明かされないままですからねぇ。。
その「真実」を知ってるハズの父ちゃんはというと・・・丸い目をさらに真ん丸にして、きょとんとした顔して(困った子犬みたいになっちゃってる)・・・まだ部屋で呆然としていたんですね。 (思ったより時間が経っていなかったようで・・)
で、「点滴の時間です」の音声で我に返って、独り言を呟く父ちゃんなのですが・・
その絵がまた何ともいいのです。
先ほどの「きょとん」の表情とも違い、このあとの「八丸、どこだァ!」モードの父ちゃんとも違う。 口元は見えないけど、目を閉じて ちょっとうつむき加減で・・やや「しみじみ」してる。
本来なら、八丸の夢が叶ったんだから・・「そうだった、点滴はもういらないんだな(ニコッ)」とか喜んでもいいのに、手放しで喜んではいないんですよね。 逆に「やれやれ」というような表情・・ 「ついに来るべき時が来てしまった」というような、覚悟を決めるような表情にも見える。 「複雑な父ちゃんの想い」が伝わってくるような、何だか胸が締め付けられるような絵なのです。
父ちゃん、どう思っているんだろう・・「やっぱり八丸は外には出させん!」と思ったのだろうか。
このあと、父ちゃんは「八丸!!昼めしの時間だ!!どこにいる!?」と探しているのですが、父ちゃんっていつも大声で「八丸!!」と怒鳴ってるイメージがある(怒ってるわけじゃないけど)。 でもこれも・・・押し寄せる不安やら心配を押さえつけ振り切るための「つよがり」じゃあないだろうか。 父ちゃん、八丸の前じゃあ絶対「不安で、何かにおびえてる顔」なんて見せないのだろうから。
そして「つよがり」といえば・・・今週のアン姫も。
いきなり「キッ」とにらんで「フン!」だったのは・・ちょっと意外でした。 もっと、おっとりしてて・・何言われても ほわ~んとして、何も言い返さないのかと思ってた。
でも、だからって「メンタル強い(図太い)」って訳でもなく、本当は自信がないから強がって「フン!」と反応しちゃったり、「気にしてない」フリの「つよがり」だったんですね。
見事につかみを失敗した八丸に対し、達磨は見事にアンの心をつかんでいく。
「自分は失敗ばかり」と思ってるアンに、達磨はとにかく「ほめて、認める」発言を繰り返していくんですね。 「良い名だ」とか、料理も「うまいぞ」とほめて、「今はそれでいい」「ゆっくりでよい」と言って・・ アンみたいなタイプは 初動を間違うと委縮しちゃいそうだけど、見事に「安心」させて、心を開かせてる。 やっぱり達磨、人の心を読むのがうまい。
それに「八丸への指導」も、相変わらずお見事だった。
アンの機嫌を直すために、達磨は「弟子の失礼を謝罪→安心を与えてから再度お願い→答えてくれたらすかさず褒める」作戦に出てみせてます。 その間、八丸は苦虫を嚙み潰したような顔してたけど・・・すぐに師匠の真似してるんですよね(師匠のうんちくを詫びて、アンの機嫌を取りにいく)。
小さい子(?)って「こうするとほめてもらえる、喜んでもらえる!」って分かると、すぐに真似したりする。 「説明をうまく理解できないタイプ」には、「お手本」を見せるのが大事・・・達磨さん、よく心得ていらっしゃいますなぁ。 なんだかなぁ・・達磨って、こんなビジネス書を出せそう・・《達磨流・部下の育て方ーー「心眼」で見分けるタイプ別指導法ーー》とかね。
そして今週は、「この紋所が目に入らぬかぁ」で葉芽道さんがハハァーーーっ(土下座)になっていたけど、相変わらず(達磨には)たくさんの通り名が出てきますね・・・ 千人斬り、流離の一匹狼、魔噛みの・・に加えて《星砕きの犬侍》ってのも(これは初めてだった?)。
・・で、ラストには、まさに「星砕き」をしているアタの絵が。
その前のページでは、八丸がようやく「ガッ」と門番ホルダーに切れ目を入れて、「早太郎見てェ!」と微笑ましく見たその直後に・・・・ページめくった見開きで《ズバ》っと容赦なく隕石を砕くアタのド迫力。 思わず「おおっ」となってしまいましたよ・・。 差がすごいだけに、余計に迫力を感じちゃう。「比較効果」でしょうか。
しかも、絵の雰囲気もここで一変する。
それまでの、ふんわり柔らか和やか~な雰囲気と、まぁるいラインで描かれたおとぎ話的な風景を・・・その空気まで切り裂くような容赦ない《ズバ》なんです。
絵も写実的というか大人っぽい絵で、いきなり「現実」に戻されるような感覚になる・・・。 ケーキ入刀じゃなくて隕石入刀・・・いよいよ物語が動き出す、開始の《ズバ》なのだろうか。
こうしてみると、ラストの宇宙の絵こそ この世界の「一般的な現実」で、八丸が居る場所のほうが「辺鄙な星ならではの、隔離されたのどかな世界」なのかもしれない・・そんな気持ちにもなってくるのです。
☆長駄文、読んでくださって感謝。
☆キューブ宇宙域って、宇宙の中にさらに「キューブ型の宇宙」がいくつもある地域なのかな・・? 八丸たちが居るのはボール宇宙域、まるい宇宙が浮いてる宇宙域なんだろうか?
☆アタの術?霊化の術みたいな感じだけど・・
☆達磨のアジト、やたらと立派。 まるで小宇宙みたいな・・どうやって管理してるんだろう??
☆ちょっと疑問なのは、この世界では男女で職種が分かれてるんだろうか、ということ。 男は戦って、女は感知系か料理や生け花って・・ちょい古臭さに多少違和感を感じてしまう; 八丸は今まで動けなかったから、癖になってるのかもしれないけど・・「おかわり!」って・・そこ、自分で動きなさい!(笑)
☆早太郎と、黒狼が並んでると狛犬みたいで可愛らしいなぁ。。
☆ちなみに木ノ葉隠れの門「あん」は、里側から見ると右に「あ」左に「ん」が。
( サムライ8八丸伝 第8話「ゆっくりでよい」感想)
サムライ8八丸伝感想・雑考ブログ! 2019/07/01