サムライ8八丸伝 感想・考察ブログ!

週刊少年ジャンプ連載・サムライ8八丸伝の感想、考察ブログ。

サムライ8八丸伝「第4話 親子ゲンカ」感想 その1

今週の表紙見て、えっナルト!?と一瞬ドッキリしちゃった・・というのはさておき、

 

今週のサムライ8八丸伝第4話「親子ゲンカ」、読みました! 

 

んーーー結局八丸と父ちゃんの「素性」は分からないままだった・・(父ちゃんに上手くはぐらかされた感)。 

そのかわり、匠の達磨は今回の父ちゃんの反応からしても「やっぱりただモノじゃない」超有名な伝説の侍であるのは事実のようだし、「本来の御姿」は第1話に出てきたゲーム上の姿らしいことも分かった(なんで今みたいな姿になっちゃったのか気になるなぁ・・)。

  

 第4話は「八丸が旅に出る決意をするまで」という、比較的“おとなしい”話ではありました。新キャラも特に出てこないし(登場という形では)、ハプニング的なこともほとんど無しで「地味っちゃ地味」。でも、その分内面描写が深い

 

岸本先生のストーリーって「緩急」がけっこう短い周期で来ますが、その「緩」の時のほうがかえって面白い・・と私は思っています。 今回は八丸や父ちゃんの心の内、内面の「相反する2つの感情」の揺れっぷり、その葛藤描写がなかなか面白かった。それと猫だるま師匠の「話術の達人」っぷりが、実にお見事。 父ちゃんと猫だるまの駆け引き的な会話のやり取りも面白い。

 

 それに先週先々週からの「右手クンと左手さん」のお話ですが、どうやらコレもまだ継続中のようですね。 父ちゃんにしても八丸にしても、やっぱり「右手クンと左手さん」が己の中に居る。 それぞれの心の内に「2つ」の感情が言いあって、そして本心とは「裏腹」なことを言ったりやったりしてしまったり・・・ 

 大切なモチーフを、ちょっとずつ形を変え場を変え人を変え、何度も繰り返すのが「岸本流」表現法の1つ(だと思う)。

 

 「2つの相対するものの葛藤」・・・そして「2つの対となるもの」といえば、達磨のホルダーは「魔噛み」とも「狛犬」とも言われていますが、その「狛犬」も通常「対」で配置されて、神社や寺を背にして「阿吽(あうん)」配置になっていますよね。

 

「阿吽」のうち、

左(向かって右)は「あ=口は開いている」で、

右(向かって左)は「うん=口は閉じている」・・


そして、右が閉じてて左が開いてる・・といえば、今週のこれ↓↓

 

f:id:papikonohanogenin:20190603155426j:plain

「いつか必ず つかまえてやる」


こ、怖っ、、、これ、父ちゃんの回想でフラッシュバック的に出てきた「何か」なのですが、どうやら父ちゃんは「こいつ」から八丸を守ろうとしているみたいですね。

 

で、ここでまた秀逸なのが、この直後の「場面転換」です。 あの強烈な絵の直後に、来る絵がコレ・・・

 

f:id:papikonohanogenin:20190603155500j:plain

向かって左が閉じてて、右が開いてる達磨の背中の「目」

・・達磨の背中です。似てるんですよね、この2つ。同じように「左目だけが開いている」。 どちらも「阿吽」を連想させる配置。

 

そして「似てる」繋がりでの場面転換・・・この《岸本流場面転換の妙》については、「第1話感想その3」でも触れましたが、あの時は「まるい達磨」の絵と「ロッカーボール」を並べての場面転換だった。 今回は「左目だけ開いてる」絵つながりで、父ちゃんの部屋から「八丸と達磨がいる縁側」への場面転換。 

 

 「似てる」2つを並べて「光と闇」のような対比で場面転換する例は、同じく第1話感想その3で例を出したNARUTOの511話にもありましたが、今回も「似てるけど真逆」パターンのような気がいたします。 八丸にとって脅威である存在と、八丸を守る存在という「2つの相反するもの」・・

 

 それにしても似てるんですよね、「左目だけ開いてる」ってのも同じですが、その下の部分も似てるんです。 不気味な奴は「鼻まで覆うマスク(?)」をしてるのですが、鼻まで隠すラインが「達磨の目の下の曲線ライン」と似ている。それに奴のマスクには「4つの丸い穴?」のようなものがあって、これまた達磨のオタマジャクシ型模様と似ている・・・(詳細は現物を見てね)。

  

(ちなみに猫だるま師匠の背中は「左目が開いている」状態で変な奴と同じですが、ゲームに出てきた本来の達磨は「右目だけが開いている」状態だった。 変な奴とは「対」のような感じになるかな)

 

 で、父ちゃんが「変な奴の顔」を思い出す直前に《達磨が縁側から庭に出て、父ちゃんに背中を見せながら語るシーン》があるのです。 

 それまでは二人、縁側に並んで座ってしゃべってたのに・・・なぜか達磨が立って庭に出て、背中越しに語りはじめるのです。 なぜ、作者があの場面で達磨を立ち上がらせ、庭に出すという「ひと手間加えた描写」にしたのか気になってたのですが・・・もしかしたら、(作者の意図として)父ちゃんに「達磨の背中の模様」を見せる為だったのかもしれません。 

 父ちゃん本人は、その時は何も感じていない様子でしたが、「達磨の背中模様」が無意識に脳裏に焼き付き、あとになって突然「あいつの顔」をフラッシュバック的に呼び起こしてしまったのかも。 どうやら、あの記憶は・・・父ちゃんとしては「忘れたい、封印したい」記憶のようですね。

 

 で、余談にはなるのですが、今回気になった《流星》に関する話をちょっとだけ。 まずは「この絵」ですが・・・

f:id:papikonohanogenin:20190603140118j:plain

達磨師匠の印籠の「紋所」。(こんな感じ・・という模写)

これ、猫だるま師匠が「正体明かし」の証拠として見せつけた、印籠についた「金剛夜叉流免許皆伝」の紋所です。 

 これを見た父ちゃんの驚きっぷりから見て、「この紋所が目に入らぬかァ」レベルの紋所のようなのですが・・・

 

 で‥この紋所を見て、似てると思ったのが、コレ↓↓

 

f:id:papikonohanogenin:20190603140444j:plain

京都、鞍馬寺の紋所。

んー・・・こうやって貼り付けてみると、あんまり似てないような気もするけど;

ようするにあの紋所は「天狗の団扇」みたいにも見えたのです鞍馬寺=「天狗」)

というのも、以前鞍馬寺周辺を散歩をした時に、鞍馬寺奥の院にある「魔王殿」でこんな記述を見て、それが印象に残っていたからなのです。

 

鞍馬寺の本尊は「愛の象徴の千手観音」と「力の象徴の魔王尊(鞍馬天狗と思われる)」、そして「光の象徴の毘沙門天」。ここに祀られている魔王尊は650万年前に人類救済の使命を帯びて金星から降臨した》

 

・・・って、まるでSFでしょ?(すみません); 

 

これを見た時(2014年4月)はまだNARUTO連載中だったので、天狗(須佐能乎関係)や鞍馬(九喇嘛)とか「愛の千手」という「NARUTOを彷彿とさせる言葉」に思わず反応して記事(※下記参照)を書いたのですが、どっちかというとNARUTOよりも八丸伝のほうが関係ありそうな気もする(ちなみに鞍馬寺には不動明王像も置かれています)。 

 で、今回あらためてWikiでも確認したところ、加えてこういう記述もあった・・(護法魔王尊の体は通常の人間とは異なる元素から成り、その年齢は16歳のまま、年をとることのない永遠の存在である)・・なんかこれも気になるなぁ。 なにしろ「金星から降臨」って・・それって「流れ星」

 

それに「天狗」というのは、そもそも「凶事を引き寄せる流星」であったり、「雷のような音を立てて落ちてきた流星」であったり「天翔ける狗(=犬)」であったりするらしい。

 

(ちなみに「雷」といえば「金剛夜叉」は雷の神でもあり、正面の姿は「目が5つ」で描かれることもあるらしい。 「金剛夜叉流の紋所」、天狗の団扇にも見えたけど・・・図柄的に「目が5つ」に見えなくもない)。

 

ま・・これらは「我々世界の天狗やら金剛夜叉明王の話」であって、本編に直接関係ない「余談」ではありますので、ちょっと参考までに。

 

 しかし、今週の「空を飛ぶ八丸と早太郎」は「天翔ける狗」のようでもありました。 

オレ達の事流星みたく見えるかな?」「あ!そっか流星は夜だよな」なんて会話が「なぜか」出てきたし(作者が意図的に挟んだ感がある)、達磨は流れ星のようにこの星に落とされたのだろうし、ナナシの家に落ちた八丸も、まるで流星が落ちてきたみたいだったし・・・ 以前の予告編でも「流れ星」の話からすべてが始まった

 

八丸本人の過去話にも、何か「流星」が絡んでいるのだろうか・・・? 

 

《あの子は守られる側の人間だ》という父ちゃんの言葉には、八丸を何としてでも「守ってやりたい」という決意が感じられるんですよね。 それに八丸が「それだけの大きな運命を担っている」こと、それと父ちゃんの「侍への強い不信」も滲み出ている・・  

 

 今回の話の本領である《父ちゃん、八丸の内面の葛藤》の描写、そして達磨師匠の描写についてなど・・・それについては「続きの感想」でゆっくり見ていこうと思います(←肝心なのはこっち!)

 

 

☆続きは明日(火曜)にアップする予定です。

 

 

 

☆長駄文、読んでくださって感謝。

 

 

 
 

 

 ☆「鞍馬寺」に関する当時の「ナルト好きブログ!」の記事↓↓

blogs.yahoo.co.jp

 

 

にほんブログ村 漫画ブログ 漫画考察・研究へ
にほんブログ村

 

 

 

(サムライ8八丸伝感想・雑考ブログ! 2019/06/03)