サムライ8八丸伝第16話「星砕き」感想
《さぁ・・・次なる旅へーーー》
《出発だ!》
って、「岸本・大久保両先生の次回作にご期待ください!」って続くのかと一瞬焦っちゃった(笑) だって、達磨に「お前はすでに三身一体を成し得た」とか言われてるし、伝説の大技「星砕き」を成功させたし、「星を救ったヒーロー」にまでなって・・・ まるでエンディングのような流れだったから;
さて今週は、そんな要らん心配をするぐらいに話がキレイにまとまって、テンポよく話が進みましたね。 本当なら「よかったね」となるんだろうけれど、何だろう・・ちょっとした違和感というか、いろいろ気になることがありました。
その違和感の1つが、いきなり八丸が「ヒーロー」になってること。 まだ「家の外デビュー」して間もないのに、すぐ強くなってヒーローにまでなっちゃったと言うのがね・・; それと星砕きも「トレースした」っていうね・・・カチャって出してつなげて、コピーした的な・・・ それに免許も「ダウンロード制」ってのが、きっとSFらしくて面白い要素なんだとは思うけど、こういうのって「努力して汗かいて這いつくばって」やっと手にするド根性的なイメージがあったから、違和感を感じてしまったのです。 達磨が居るから出来ることとはいえ、あまりにもお手軽な感じがしてしまって・・・自分が時代についてってないだけかな??
今回は緊急だったとはいえ「急いで成長させてる感」があって、なぜこんなに急いでいるのだろう・・・ストーリー的に 「この段階で八丸に星砕きを覚えさせておく必要がある」のかと気になってしまった。
それと、他にも「違和感」を感じたのが・・・八丸やアンに対する《周囲の反応》。
特にアンに対する「手のひら返し」があからさま過ぎて、「人間ってこういうところあるなぁ」と苦笑いしてしまった。。
アンが「星を救うために」出ているらしい・・と聞いての姫仲間たちの反応は、最初はこうだった。
「え⁉ あのアンが⁉」・・・・
「あのアン」って、言外に「あの いつも怒られてばかりの落ちこぼれアン」っていう、ちょっと蔑む意味がありますよね。 なのに、アン達が星砕きを成功させたら、
「やっぱりアンの生け花って・・センス良かったよねェ!」
・・ですもんねぇ。「やっぱり」って・・ホントは思ってなかったんでしょうが。
しかも「私は分かってたんだけどさ」とか; いやいや「分かってなかった」でしょうに・・ 「あのアン」って言ってたのにね。
同じ「あの」でも・・「あの・・達磨様が駆けつけてくれたというのか・・⁉」という侍の言葉。 「あの達磨様」には、「あの伝説の有名な達磨様」という「尊敬や憧れの念」が滲み出てますよね。 同じ「あの」でも、全然含むものが違う。
「あの」がつく場合は、「実際には会ったことは無いが話には聞いている」とか「あんまりよく知らないけど、いつも怒られてるからダメなんだろう」とか・・実は「自分の判断」ではなくって、「他の人の評価」でイメージを決めてるケースが多いような気もします。
「あの」は、「この」よりも「距離」がある場合が多いけど、「気持ち的」にもちょっと距離があるような・・ 実際に会ったことは無いとか、顔は知ってるけど「よく知らない」とか・・・
たとえば、衛星無雲は「あの星」だけど、八丸の故郷の星は「この星」。 距離的な遠近以上に「気持ち的な距離」の違いがあったりする。
《この星は・・・師匠と会って侍になった場所で・・友達が出来た場所で・・アンと出会えた場所で・・なにより父ちゃんと一緒に生きてきた場所・・父ちゃんとの約束の場所》
《この場所は オレのーーーふるさとだ》
「この」は掛け替えのない、オンリーワンと言いますか唯一無二といいますか。
それに、「やっぱりあの八丸って奴 ただ者じゃなかったんだな」・・と道場の子が言ってましたが、「あの八丸って奴」っていうと、「八丸って名前の、この前会ったやつ」という程度の知り合いなんですよね。
でもこの子は「八丸の戦車入刀」を見て、八丸の実力は知ってるはずなんです。 でも「八丸」はそれまで無名だったし、まだ「すごい奴と確信する」には至ってなくて・・今回の活躍を見てやっと「やっぱり」に至ったのかも。
事ほど左様に、人間ってのは「自分自身の目」を信じるより「他人の判断」を気にするもんなんですねぇ。 自分の目で「価値」を判断し、「物事の本当の姿」を見出す・・ってのは、なかなか難しいのかもしれない。
その点、ナナシの「やっぱり」は「納得のやっぱり」だった。
「・・君はやっぱりすごいよ 八丸」
ナナシは、自分自身で「八丸はすごい奴だ」って判断して、すでに確信してたんですよね。 この中で一番「自分自身で判断する目、本当の姿を見る目」を持っていたのは、ナナシだったような気がします。
で、「本当の」といえば・・・「これが・・本当の 星砕き・・か・・伝説・・通りだ!」(ハガミチさん)とか「これから侍八丸の本当の姿を見せてやろう!」(達磨)とか・・
どうやらアンは、消耗してモヤシになった姿を「八丸の本当の姿」だと思っちゃったらしいけど; 達磨が見せたかったのは《白い侍魂を持つ立派な侍》としての八丸の実力(本当の姿)ってところでしょうか。 でも、今回は達磨の代行でもあったから・・これからは「本当の力」を試されることになりそうですね。
《本当の力》・・・私から見た八丸は、まだ侍になったばかりだし、修行もろくにしてないし、まだまだ「見習いレベル1」ってところ。 だけど、達磨から見た八丸は《勇も得て、三身一体もなし得た侍》なんですねぇ。たとえ「見習いレベル1」であろうと「本物=本当の侍の力を持つ者」ってことなのかな。
(その点、アタは「勇を失った」状態らしいから・・・アタが使う星砕きは、たとえ強大であっても「ホンモノじゃない」のかもしれない)
さて、これから先は《完璧なニセモノの鍵7つと、不完全なホンモノの鍵7つ》の闘いになっていくのかもしれませんが・・ これから出会う「6つの鍵」たちも、なんだか「不完全で失敗作的な」子じゃないのかなぁ‥なんて予感がします。 「新キャラ」登場が待ち遠しい・・・個性的なキャラ登場を熱望いたします(笑)
それと・・《姫が「祈る」ことによって、侍の戦闘力がアップ》するらしいですが(ゲームみたいだなぁ)、今回一番の功労者は「アン」だったのでは・・という気もします。 いくら「三身一体」を成し得てるとはいえ、まだまだなハズの八丸が、ここまでできたのも「アンの本当の力」が発揮されたから・・・って事もあったんじゃないのかな、と。
アンの生け花って、ちょっと猪みたいな、ワイルドな感じだったけど・・・ 彼女の「内なる原始的な力強さ」を感じさせてくれて・・・やっぱり、アンって生け花のセンス良かったんだ・・と思う。
・・私は・・分かってたんだけどさ (笑)
☆長駄文、読んでくださって感謝。
☆今週から「侍データベース」が登場しましたね! これはいいかも。
☆「星砕き」って、もっと粉砕するイメージがあったんだけど、渦で呑み込む感じ? 呑み込んで砕いて消す・・的なのかな?今一つイメージがつかめず;
☆八丸・・衛星無雲を粉砕することは躊躇してなかったみたいだけど、無雲に生物はいないんだろうか・・; どっちにしてももう破壊されちゃった星だからなのか、それとも「あの星」だから、あまり気にしてないのかなぁ;
☆ちなみに私も「やっぱり」をよく使います。 前回も冒頭に書いたような気が・・;
ちょっと誤魔化すときとか、あるいは「前から思ってたよ」と強調したいときとか、何気なく「やっぱり」を使っていた・・; だから、今回のサムライ8読んで、ちょっと恥ずかしいような気になりました(笑) 他人のこと言えないぞと;
サムライ8八丸伝第16話「星砕き」感想
(サムライ8八丸伝感想・考察ブログ!2019/09/02)