サムライ8八丸伝第26話 「侍らしく 」 感想
骨河、あんな辛い過去があったんですねぇ・・;「時には自分から忘れてしまいたい事もある」と言っていたのは、コレの事だったのだろうか。 骨河に感じた「自信の無さ」の根源もここに在ったのかな。
まだ26話ではあるんだけれど、既にけっこう闇を感じちゃいますなぁ〜・・このサムライの世界にも。
侍になれる人はほんの一握りの「選ばれし者」だけだし、侍になれたとしても 安心していられない。 今週の骨河の言葉は「侍になれなかった者の遠吠え」的でもあるけれど、なかなか鋭い「侍システムへの皮肉」だったような気もします。
たとえば「武神にビクついてるサイボーグ共」とか
「頭下げて詫びればいいのか?侍らしく」とか。
前にも、こんなセリフが出てきましたよね・・
父ちゃんの「今の八丸がアタに一撃でもやられたら 間違いなく武神に見放される」と、守護侍ムジン様の「武神よ・・我をみはなさないで・・くれ」。
失望されたら、侍は即終了。 侍の運命は「武神次第」なのかと複雑な気持ちになったし、立派な侍が武神に命乞い姿をする姿は なんだか憐れでもあった。。
「ガッカリ」されたらどうしようとビクビク怯えていたり、 数値化された価値観の中で生きている「サイボーグ共」の生き様は、生身人間よりも 窮屈そう。
(もっともコツガだって「お金を全ての基準」にしてるんだから、やっぱり同じように数値化された価値観に生きている訳で、これはこの世界全てに言える事なのかもしれないけれど)
それと、「頭下げて詫びる」ってのも「侍のイメージ」なんですね。 たしかに アタはやたらと頭下げて詫びてましたね。 そこは「侍らしい」と感心もしたんですが、所詮それは「カタチだけ」・・
そういや八丸も何度も「ごめん!」と頭を下げていたけれど、八丸の場合は本気で反省して、ちゃんと直していく。 だから「ぶってる」だけじゃあない。 謝罪にしても感謝にしても、心からの言葉なんですよね。そこはアタとは全然違う。
達磨は《お前の目はアタとは違う》と言ってたけれど、その「目」とは「心を写す鏡としての目」なのだろうと思っています。 アタはカタチだけ「侍らしい」けれど、八丸は心もしっかり「侍らしい」。
「頭下げて詫びる」事が侍らしいのではなく、相手の心を見て感じて行動するのが「侍らしい」であるべきだと思うんだけど・・ 実際、今の「侍世界」ではどうなっているんだろう。 もしかして「礼」やら“義”も形骸化しちゃってるんじゃないだろうか・・・?
そして、八丸の心(目)がアタと違うのは《信じてもらってる自分を信じてる》からでもあるのかな・・と思います。 八丸は「自分を信じる=自信」がある。
ナナシの話以降、ず~っと《自分は何者なのか》という話が続いておりますが・・
この前 、アンのお兄さんの話の時に【自分を見失わないためには「自分を認めてくれる他者とのつながり」が要るんじゃないか】と書いたのですが、それに もう一つ加えたいのが「自信」。 数値で判定されちゃうこの世界で 「自分の存在価値」を見失わない為には、周囲からの数値判定に頼らない「自信」が必要だと思うんです。自惚れ的な自信じゃなくって、「自分を信じる」という意味での自信が。
コツガは、小さい頃《侍になれる可能性2%未満》と判定されて、それだけで「失敗」の烙印を押されてしまった。 それに、この前は弁形がAIに《可能性1%》と判定されてましたよね。 数値判定に支配された世界って・・・ちょっと嫌だなぁ。 数字の評価だけがすべてじゃないと思うし、それに「1%からの逆転」があってもいいと思う。きっと、あると思う。そして、あって欲しい。
八丸だって、ニセモノの鍵としては「失敗作」判定だったのに、なぜか「本物の鍵」になれたわけで・・(どういう経緯でそうなったのかは気になる)
骨河だって可能性ゼロではないし、「侍」には向いていなかったとしても、他の可能性は沢山あるハズ。 だから、他の誰かやAIが下した評価だけで 自分の価値を決める必要もないと思う。
八丸が最後に言ってた「侍ぶって見えようが 師匠がどう思おうが 失望されたかどうかはオレが決める事にするよ」。
これ ちょっと自惚れっぽくも聞こえるけど、この世界で「自分を見失わない為」には大切な事なのかも・・「武神にビクついてるサイボーグ共」にならない為にも。
そして・・今週の絵で印象に残ったのが 回想の「幼い骨河が目に涙をためている絵」から「今現在の骨河の目」に移る場面 。 ちっちゃい時のコツガ、可愛いらしかったんですねぇ・・ (しかもお名門のお坊っちゃま・・スネ夫だから??)
失望されて絶望した涙が悲しいし、その直後の今の骨河の 睨みつけるような厳しい目。 この目に《今の骨河の想い》が表れているような気がするんです。 目は、心を写す鏡ですから・・
アレは八丸を睨んでる目だけれど、実際には「消したい過去」に向けられた睨みなんだと思います。 コツガが言ってた「誰にも言いたくない 忘れたい、否定したい、消してしまいたい過去」・・
八丸も ちょっと前までは「過去を消したい」と思ってたんですよね。 だけど、今では その過去の「良いところ」を見ようとしている。 父ちゃんとの日々は「楽しかった」し、ゲーム漬けの毎日は「先読みに役立っている」。物事には悪い面だけじゃなくいい面も必ずある(はず)。 骨河の過去だって、チラッと見た限りでは どうやら「全部が悪いわけじゃなさそう」ですよね。
父親らしき人物の言葉は「失敗」とか「恥」とかネガティブワードばっかりだけれど、母親らしき人物は「あの子がどれほど苦労して・・」と言っていた。 コツガ、努力家だったんですね。そして、それをちゃんと認めてくれてる人がいた。
それに・・今でも 竜が何度も「お前はいい奴だ」と言ってくれている。
(でも、竜は「コツガの裏切り」をどう思ってるんだろう・・?)
コツガが「どうだかなってそう言ったろ いい計画は秘密って事さ」とウィンクした直後、竜は「!」と反応してますよね。 コレは突然「人型ホルダーが地面から湧いてきた」から驚いたんでしょうが、骨河のウィンクへの反応も兼ねての「!」だったのでは・・・と思ったりします。
ここに来る前にも、竜はウィンクの「意味」を骨河に聞いたり 、ぎこちな~く真似してましたよね。 で、《いい計画は秘密って事さ 相棒》と言われても 意味が分かってない感じで、しばらく片目を瞑ったまま「・・・」と何かを考えていた。
でも、今度は「何か」を感じたんじゃないだろうか。 やっと何かを思い出したのか、何かに気付いたのか・・
このあと骨河が「信用が形になったものが金だ」とか言い出した時、竜は骨河を見ながら「・・・・」と考えているんですよね。 竜はコツガの言動に何か「違和感」を感じているのか・・ あるいは《いい計画は内緒》の意味に「何か思い当たることがある」のだろうか・・?
(そういえばアタもずっと片目瞑った状態ですね)
コツガに「アンタ薄々気付いてたろ? オレを監視してる感じだった」と言われた達磨は、コツガの「目」をどう感じているんだろうか・・? 達磨はなぜ「骨河がアンを守る可能性もある」なんて言ったのか・・・そこもまだ気になっています。 それに、バトルロイヤル開始前に コツガ本人が「男を見る目があるなら いずれハッキリしますよ」なんてわざわざ言っていた事も・・ 気になる。
《自分は何者なのか》そして・・《自分の存在意義、価値、居場所をどうやって見つけていくのか》。 八丸はやっぱり《侍らしく》、そして・・テーマはやっぱり《岸本先生らしく》。 「外見だけじゃ分からない」のが この世界だけに、竜がコツガの目に「何を思ったのか」がカギになっていきそうな気がします。
☆駄文、読んでくださって感謝。
☆千隊長(この前八丸と勝負した侍)とその部下達の目的も気になります(隊長もそろそろここに戻ってくるだろうし)。 彼らと八丸達、弁形らの「関わり方」はどうなるんだろうか。 彼らは、味方なのか、それとも敵なんだろうか。
☆「目」といえば・・弁形も「意外にかわいい目をしてる♪」。
彼は「無駄な争いは嫌い」と言ってましたが、それは鍵のテロメア値を下げたくないからだろうけれど、「本当に無駄な争いは嫌い」なのかもしれない・・(目は心を写す鏡ですから)。
☆骨河、侍一族のお坊ちゃまだったんですね。 「遮那家」って・・遮那といえば、義経の稚児名が「遮那王」。 だとしたら、「ジャイアンとスネ夫」というより「弁慶と牛若丸」なのかな・・?(弁形のホルダーも牛若丸だけど)
☆そもそも、何%以上が「見込みアリ」になるんでしょうね。 明日の降水確率30%とか言われると迷っちゃうし;
☆岸本先生の一言コメントにある《舞台NARUTO-ナルト-~暁の調べ~ぜひぜひ》。
演劇通友人がチケット取ってくれたので来週、観に参ります!
(サムライ8八丸伝感想・考察ブログ! 第26話「侍らしく 」感想 2019/11/11)
サムライ8八丸伝 第25話「遭遇」 感想
そうきましたかぁ、《ええっ》という展開・・ こういうの待ってたんですよ、この次どうなんの??という展開を!
今週は色々と分からなくなったり、いろいろと繋がったり・・なかなか読み応えのある話でした!
まずは・・・
骨河、主催者弁形(弁慶ではなかった;)の手下だったんですね。
弁形があんまり良い奴じゃなさそうってのは、先週の「参加者の鍵狩りが目当て」発言から見えていましたが・・・ 骨河も仲間だったとは。
思えば やたらと祭りの情報に詳しかったり、当初から怪しかったわけですが、私は騙されてました。。根っからの悪い奴には見えなかったんだけどなぁ;
最後に、達磨が《ここで来たか!!》と反応したところを見ると・・・達磨は見抜いておられたようですね。 この祭り自体が怪しいことも、それを紹介してきた骨河が怪しいことも。 そのうえで八丸の修行と思って 「乗せられたフリ」をしてたのかな。
そして・・骨河と達磨、第21話で こんな会話をしていましたよね。
骨河「アンちゃん・・だっけ?」
「オレが付いてる 心配するな 守ってやるから」
八丸「!?」
達磨「それは八丸の役目だが
可能性がないわけではない」
骨河「男を見る目があるならいずれハッキリしますよ」
なんで達磨はこんなことを言ったのか、あの時すごく???だったのです。 侍でもなく、参加資格もない骨河が「アンを守る」なんて出来っこないのに「可能性がないわけではない」なんて・・・達磨はなぜこんなこと言ったんだろうと。
でも、今思うと それはこういう事だったのかな・・・《アンを狙うか、守るかは骨河の選択次第》って事だったのかと。 骨河は計画通りに「アンを狙う」かもしれないけど、狙うのをやめて「アンを守る」可能性もある。どっちの可能性もあるって事だったのかもしれない。
この話の流れだと、いかにも「骨河がアンを人質に取る」ように見えますが・・このままアンを人質に取るのか、それとも「何かからアンを守ろうとしている」のか、まだ分からないと思ってます。 もし、このまましばらくは弁形の命令通りに動いたとしても、いずれは・・・骨河は「アンを守る」選択をするような気がします。
というのも・・竜が骨河の事を「いい奴だ」と何度も繰り返していますから。
(もっとも「お前いい奴だな」について竜は「今までのオレの経験がそう言ってる」と言い、骨河が「今までの経験ねェ・・記憶喪失中の奴が言うセリフじゃねェーよ・・ったく」と突っ込んでいる)
竜は記憶喪失で何も覚えられないらしいけど、その分 余計な思い込みや偏見が無くて、純粋に本質を見ている感じがするんですよね。 八丸のことも「いい奴だ」と言っているし(それは当たってるし)・・
表面だけ見ると、骨河っていい加減な奴っぽいし、やってる事もコソ泥とかロクな事じゃない。 それでも 今回もだけど たまに竜を気遣う発言もするし、早太郎(小)をかわいがる姿(今週の扉絵や第23話など)も見ると、本当に悪い奴には見えなくてね・・。
それに、第20話では竜に「敵になるかもしれないんだから(八丸に)肩入れするな」なんて忠告もしていた。 アレは「骨河が自分自身に言い聞かせてた」んじゃないかと思ったけど、やっぱりそうだったような気がする。 骨河本人が八丸やアンに肩入れし始めていて、これじゃ仕事がしづらいと思ってたんじゃないのかな・・・?
そして・・もしかしたら、達磨も「骨河は本当はいい奴」であると 見抜いているんじゃないだろうか・・?
達磨は、途中まで骨河を「拙者の目になってくれ」と同行させていましたよね(第21話で)。 それは「怪しい骨河を監視する目的」だったのか?とも思ったのですが、第21話の感想で、自分ではこう書いていました・・・
(☆口先だけで人任せな骨河に、達磨は「協力」を求めてましたよね。 で、骨河も意外とそれを楽しんでいたような気がする。 骨河って、本当は自信が無いのかも。だけど「自分も誰かの役に立つ」と気付いたら、骨河も「変わる」んじゃないのかな? そうしたら「いい男」になれるかな・・)と。
達磨は、骨河の「心の中の変化」を感じ取り、「可能性」にかけようとしたのではないだろうか・・?
八丸たちは、完璧じゃないけど協力し合って助け合ってる・・・そして互いにいい奴だと感謝して支え合っている。 竜も、骨河を信頼して「いい奴」「いい相棒」と認めてくれてる・・・その中で骨河の心にも何か「変化」が起きようとしている(のではないかな)。 達磨は「骨河の心に怒りつつある変化」を察して、自分に「協力」させた可能性もあるのかな、と・・・ そうすれば骨河も本当に《アンを守る可能性もある》と賭けてみたんじゃないだろうか。
そして、この前八丸の「白い侍魂を見抜いた」謎の侍さん・・「千隊長」って言うんですね。
どうやら彼は、部下たちと一緒に「標的探し」のミッション中だったようですね。 しかも、主催者の弁形も 彼らの「標的の一人」だったらしい・・
「弁形」は《銀河球連邦規定違反、指名手配の“鍵狩りの弁” 》とかなりの札付きだった。 それを標的にしてたって事は、彼らは銀河球連邦の警務隊のような人たちなのかな・・? だけど、そんな札付きの詐欺師と「猫と子供コンビ」が同じ「標的」になってるってのは、いったいなぜなんだろうか。
そして「いかにも悪そうで強そうな」弁形さんですが、この人・・・本当に強いんだろうか・・? (意外と弱いんじゃ・・;)
盛ってるだけで、実際にはどうなのか分からない・・・
だって鍵狩りするのも、侍たちを自滅させるという「無駄省き」をしてるし、今回も自分が動くより前に骨河に動かせて「ここで姫を人質に取ればすべて無駄が省ける」とか言ってる・・ 無駄を省きたいんじゃなくて、他人任せで漁夫の利狙いで、実はそんなに強くなかったりして・・・(そして弱いと思われた骨河が意外と強かったりとか)。
それに、八丸が《こんな強そうな人生まれて初めて見る》とか《強そうだし》と繰り返してるから、逆に「そんなに強くない」ような気がしてきちゃう。 「強そう」なだけじゃないかなぁ。
それに、八丸の《こんな強そうな人生まれて初めて見る》発言についても、おいおい八丸よ、君はまだそんなに沢山の人と出会ってきたわけじゃあないよね・・・と突っ込みたくなった。 骨河のセリフを借りて言うなら《今まで引きこもりだった奴が言うセリフじゃねェーよ・・ったく》という事になるかな。
でも、アタはごつくて大きくて・・確かに「強かった」。 弁形も確かに見た目はごついし、連れてるホルダーも超巨大。 だから、八丸の「今までの経験」から考えると、《アタ以上に巨大でごつい=だからアタ以上に強い》という推測になるのでしょう。
竜も、「今までの経験から」骨河はいい奴だと言ってましたよね。 その「経験からの判断」ってのは、どこまであてになるのだろう・・・?
優秀な達磨のAIは「弁形が箱の鍵である可能性は1%、箱の鍵ではありません」って言ってましたが、1%って事はゼロじゃあないんですよね。 それは「可能性がないわけではない」って事にはならないのかな?
AIは膨大なデータやら学習した経験から推測する、つまり竜が言ったみたいに「今までのオレの経験がそう言っている」という感じで答えを出しているんでしょうが、はたしてそれが正解なのでしょうか。
真実は「過去の経験から導き出した推測上」にあるのか、それとも想像してなかった残り「1%」のところにあるのでしょうか。
骨河がアンを助ける「可能性がないわけではない」のなら・・・弁形が箱の鍵である事も「可能性がないわけではない」って事だったりとか。
タイトルの「遭遇」・・・遭遇ってのは「思いがけず」ばったりと出会う事。
思いがけない人とか、思いがけない場面、思いがけない展開、思いがけない可能性に出くわす・・・・はて、このタイトルの意味するものは何なのでしょうか。
☆駄文、読んでくださって感謝。
☆それで・・・ここんとこ数話、「手の内は分からない」「言えないこともある」って話が出ていたんですね。 骨河に限らず、この先そういう「表から見ただけでは分からない」「見えているものはまやかし」的な話は続きそう。。
☆弁形、箱の鍵・・・弁当箱って見えてきちゃった;
☆日が短くなってきましたねぇ;寒くもなってきたし。皆様どうぞご自愛ください。
(サムライ8八丸伝感想・考察ブログ! 2019/11/02)
サムライ8八丸伝 第25話「遭遇」 感想
サムライ8八丸伝第24話 八丸VS竜、再戦!!感想
サムライ8八丸伝第24話 八丸VS竜、再戦!! 感想
意外とあっさり、竜に勝ちましたね; 極めて順調に勝ち進んで来週には・・・もう「主催者」と対面ですか。 竜が繰り出す多彩な攻撃を上手く見切っていたし、それに父ちゃんがくれた仕込み杖・・アレ、侍になっても装備されてたんですね;手の内から手の内が出てくる・・
この先うんと強くなっても、この仕込み杖だけは「ここぞ」という場面で大切に使って欲しいものです。 父ちゃんからの大切なプレゼント、大切な想いですもんね。
さて、「今週一番」よかった!と思うのは(私としては)・・・
(回想で、嫌がらせメールに落ち込んだ八丸が、気分転換にお茶でも飲もうとして・・)
ドロ~・・・とお茶?がポットから出てくる絵。
ただただ、お茶(らしきもの)がカップに注がれる絵なんですけど;でも、この《ドロ~・・》とドロドロで重たい音が「当時の八丸の気持ち」をよ~く表現してると思うんですよね。 重くてのろくて、引きずり込まれて浮かび上がれない感じの・・・
こうやって当時の八丸は、現実の「悪い面」ばっかり気にして凹んで澱んでいたのか・・と伝わってくるような絵。こういう表現、好きだなぁ。。
対戦相手からの嫌がらせメールに反応しちゃうほど、以前から八丸って素直ですごく謙虚だったんだと思いますが・・・ 今週も、竜に対して「うぬぼれてた」とか言ってましたけど、謙虚な人じゃなければ「自分がうぬぼれてた」なんて反省しない。 この謙虚さは八丸の長所だと思うのですが、回想を見ると、昔はこの「素直で謙虚」なところがマイナスになっていた。
「嫌がらせメール」なんて適当に読み流せばいいのに・・・八丸は《図星だった》なんて反省してますよね。 真面目というか、謙虚というか・・・こういうタイプって、自分で自分を追い込んでメンタルダメージ受けやすい(と思う)。
本当は自信が無くって、だから「外からの評価」が欲しくって・・それで頑張って「ランキング1位」まで登り詰めたんじゃないかと思うのに、それでもまだ自信が無かったんだと思います。父ちゃんに言われたみたいに「それが何の役に立つ」と自分でも思ってたんだろうし、《ゲームで勝ったところで》という気持ちがずーっとあったんじゃないのかな。
そうやって自分の置かれた環境や自分自身の「悪い面」ばっかり見ていくうちに、現実を直視するのがイヤになっちゃって・・ せっかくの「真面目で素直で謙虚」な性格もマイナスになっちゃってたんですね。
でも、父ちゃんにはそんな生活も「楽しかった」と言ってもらえて、今では当時の生活の「良い面」を見られるようになって・・・ 「自分は完璧じゃない」と認めることが出来たら、逆に「自分に出来る事」が見えるようになって、自信もついたのでしょうか。 現実に向き合えるようになったし、謙虚すぎて素直過ぎちゃうところも 「長所」になってきてる。
達磨も、アンも、早太郎ももちろん支えになってくれてるけど・・父ちゃんがくれた杖と「楽しい生涯だった」「お前が息子でよかった」の言葉も、きっとこれからも八丸をずーっと護り続けてくれるのでしょう。
先週達磨のお師匠さんが言っていた・・
《この広い宇宙のどこにも完全なものなどない》
《大切なものを見おとさぬ心眼を持ち 良いところを見なさい》
《一見無駄に見える事も いつか必ず役に立つ時が来ます》
《点と点は繋がりやがて線となって見えてくる・・》
今週は、この「まとめ」だったような気もします。
祭りの主催者が言ってる「無駄が省けた」という言葉と、達磨が言ってる 「修行のためにも・・と思い この星に来たが 無駄ではなかったな」は対照的だった。 この主催者も、いずれは「無駄な遠回りなんてない」と気付く展開になるんでしょうね・・
(という事で次回は主催者と対戦? そして次回は11月2日(土曜)発売です)
☆駄文、読んでくださって感謝。
☆今のところ、順調すぎるほどの展開・・そして予想通りの展開。 この先、意外な「先が読めない」展開がくればいいのですが・・;「ええ?そう来るか?」という展開希望です;
☆祭りの主催者(弁慶なの?)、「今回はいい鍵が揃った」とか「狩りをする」と言っているので、参加者を閉じ込めて、全員「鍵コレクション」にするつもりなのかな;「アイツ」ってのも気になりますが・・
☆負けた侍たち、安っぽいなと思ってたけど・・最後はちゃんと立派な侍してましたね;
☆竜が、アンと八丸の名前は憶えてちゃんと覚えてるのは意外だったけど・・
☆昔の八丸が飲んでたのはお茶?薬湯?コーヒーじゃないよね;
巻末で岸本先生が《眠気対策にコーヒーをよく飲む。味も大好きだからつい飲みすぎちゃう》と書いていたけど、先生のコメントが気のせいか元気ないような・・前は足がだるいとかなんとか書いてあったし、大丈夫かな?
☆引きこもり時代の八丸、やっぱり子供時代のカブトに似てるなぁ~(ビジュアル的に)。 ということで、カブトの考察(雑考=カブトの任務日誌をねつ造してみた)を書いてみました。 よろしければ!↓↓
(サムライ8八丸伝感想・考察ブログ! 2019/10/28)
サムライ8八丸伝 第23話 それが何の役に立つ! 感想
今週の扉絵、斜め直下から見上げた感じがいいなぁ〜〜・・これ、先週の続きの絵だけれど、その場で見上げてるような臨場感。
《刀を鞘に戻す瞬間》って、侍ならではのカッコいい絵だと思うんですよね。 勝負が決まった一瞬って、何を想うんだろう・・?
さて八丸も・・
《読み合いなら負ける気がしない! あのゲーム漬けの日々も今に繋がってたよ 父ちゃん!!》
《最強ゲーマーとしての自分》に自信を持ち始めましたね! うん、それこそ「八丸」らしさだと思う。 もっともっと自信もっていい。 だってランキング1位でしょ、しかも1位をキープしてたっぽいし・・
竜との練習でも「トップゲーマーとしてのずば抜けた分析力」を見せていたし、読者は前から「八丸が強いのはゲームをやりこんでいたから」と思ってたのに、八丸本人は気づいてなかったのかな;(今まではまだ「ちょっと後ろめたい過去」だったのかなぁ)。
そして、扉絵の侍(八丸と闘ってくれた侍)ですが・・・ この人、いったい何者なんだろう? この人物もかなり気になる。
ただ者じゃあないですよね、なにしろ「白い侍魂は心眼でしか見えない」らしいのに、この侍には「見えていた」のだから。
それに、彼らの目的は《猫と子供のコンビを探す事》。 八丸と勝負したのは「確認するため」だったのでしょうが、《違和感がある》として八丸たちを見逃した・・・
ん?「違和感」・・?
「猫と子供」と言ったら、おそらく「達磨と八丸」だと思うんですがね〜・・
でも、今の二人の「現状」では何か違和感を感じたという事なのか、それとも「わざと見逃した」のだろうか・・?
あの侍、猫と子供コンビを《標的》とも言ってましたよね。 標的と言ったら、一般的には「攻撃目標」。 (猫と子供コンビを見付けたら捕獲せよ)という命令でも受けているのだろうか・・?
彼は八丸が「本物の鍵」であることにも気づいたし、なぜか最初っから「この猫侍はこの少年の師匠」とも判別していた。 それに「(姫を失くした侍がどうなるかは)師匠に聞け」と言ったり、まるで達磨の正体を知っているような発言もあった。 やっぱり・・八丸たちこそ「標的である」と気付いていたのかな。
それでも、八丸が「思いがけずいい少年だったので」なぜか今回は見逃す気持ちになったのだろうか。 八丸に興味が出来て「次に会う時」を待とう・・という気持ちになったのかな(「また会おう」とも言ってましたしね)。
結局、名前も素性も分からないままだったけど、再会する時は・・敵なのか味方なのか、どっちとして現れるんだろう。
で、「素性」といえば、やっぱり達磨も気になるんですよね。
少~しずつ明かされてはいるけど、まだまだ分からない事だらけ。 この人も「人に語りたくない過去」を背負う一人だし、波乱万丈な人生を送ってきたんだろうと思うと「知りたい願望」をそそられてしまう。。
(なのに、八丸は「察して」達磨にズケズケと質問しなかった。 この前、骨河に(誰でも言いたくない過去がある)と教えてもらったのをちゃんと学んでる・・)
今回のミニ回想によれば、達磨ってかなり生意気な自信家で「剣に溺れる」タイプだったみたいですね。 お師匠さん(金剛夜叉なの?)は達磨のそういうところが心配だったんでしょうねぇ・・・ 大切な事を話す時、いちいち《達磨・・いいですか》って言ってる;まるで小さい子供に話しかけるみたいに(おとなしく話を聞かないタイプの弟子を持つと、師匠は大変だ;)。
でも、師匠とのやり取りは、第1話冒頭とほぼ同じ・・・ この当時から達磨の“義”は「白い侍魂を持つ本物の鍵を探す事」だったんですね。 達磨がバグ姫を失ったりキーホルダーを失くしたり、視力を失って猫型ロボットになってしまったのは、このすぐあとの事だったのだろうか。
かつての達磨は「無駄」が嫌いで、徹底して「近道派」・・才能を過信して「手間のかからない」近道をしてきたけれど、最も大切なものを失い、裏切られ、見失ってしまった。 そして、日頃から「完全な犬派で猫を被るのはキライでね」なんて言ってたから「猫を被ることになっちゃった」んだと思うけど、これは達磨を目覚めさせるための天の配剤だった・・・とでもいいましょうか。
たまに《シャーっ》と怒って短気そうなところも見せるけど、今の達磨はすっかりまるくなって《ゆっくりでよい》ペースになってますもんね。 辛い経験をしたり、今の姿になったのも何か「意味がある」ことであり、無駄な道ではなかったんですね。
それにしても、達磨のお師匠さん・・いい事を言ってくれてる。
《達磨よ・・ いいですか この広い宇宙のどこにも完全なものなどないのです
大切なものを見おとさぬ心眼を持ち 良いところを見なさい》
《達磨・・ いいですか》
《一見無駄に見える事も いつか必ず役に立つ時が来ます
点と点は繋がり やがて線となって見えてくる・・ 私の説法と同じ
私との修行もね》
《一見無駄に見える事も いつか必ず役に立つ時が来ます》・・・たしかに「あの時やってたアレがまさか役に立つとは」って思う事、大人になったら1つや2つ出てきます。 たとえ「目に見える形で」表れなかったとしても、その経験が「忍耐強さ」になったり「負けず嫌い=向上心」になったり、辛い経験が「人の心を想うようになれた」とか・・無駄なことなんて無いんですよね、きっと。
「引きこもりでゲーム漬けなんて」と思うけど、八丸の場合はそれが修行になっていた。 「ちょっと異色な修行をしてきた事」が、八丸の個性やら最大の強みになっている・・ それに、なんといっても「ランキング1位」ですからねぇ~・・これ、才能と時間だけじゃなくて「凄まじい努力と負けん気」が無きゃ出来ない。そこまで登り詰めるのも、1位をキープするのも凄い。 努力も精神力も要る・・これもいい修行になっていたと思う。
八丸が思い出す、かつての父ちゃんとのやり取り・・
「バトルランキング1位だ!」
「よかったな・・で・・それが何の役に立つ!」
よくありそうな親子の日常会話・・・これ見ると、父ちゃんも八丸を特別扱いせず「ごくフツーの父ちゃん」してたんだなぁと思います。 だけど・・ゲームであろうと「ランキング1位」って凄いことですよ、父ちゃん! もっと喜んであげようよ!
ま、子供を思えばこそ親はなるべく「無駄を排除した方がいい」って思いがちでしょうけれど・・ でも子供にとって、そういった一見「無駄に見えるモノ、役に立ちそうもないモノ」がお宝だったり大切だったりしますよね。
親に言われたり、強制されたこと「以外」のやってる事、やりたい事に、その子の個性やら才能とか「本来のその子らしさ」があったりするし。 で・・それは大人にも言えるような気もします。
例えば、今回のあの謎の侍・・・ 彼の任務は《猫と子供コンビを探す事》ですよね。 なのに、調べもしないまま逃してしまったのは何故だろう? 絶好のチャンスを逃したことで、結果的に「遠回り」になっちゃうかもしれないのにね。 それでも「八丸をこのままにしておきたかった」・・・八丸に興味が出来て「この子の行く末を見てみたい」と思ったのだとしたら、そう思う理由に彼自身の「本当の想い、本当の姿」があるのかもしれません。 彼は自分が「なぜこうしたのか」自分自身の判断に「違和感」を感じているんじゃないのかな。
ピッピッ・・と減っていく参加者カウンターの「数」と、八丸のゲーム漬けだった「日々」のカレンダーが重なっていく絵がいいですね。 減っていく数字を見て手応えを感じながら、八丸は「積み重ねの日々の、今日に至るまでのカウントダウン」を実感していたんじゃないのかな・・・「今までの自分が歩いてきた遠回り道、寄り道」に愛おしさを感じながら。
今のこれもアレも、きっといつか・・「何かの役に立つ」。
何事にも「良いところ」がある・・・何事にも「無駄」なんてないのかもしれないですね。
(さて、次は竜との対戦ですね・・!)
☆長駄文、読んでくださって感謝。
☆サムライ8八丸伝、今週は面白かった。 どんどん面白くなってきてると思うんだけどな・・
☆今回の話、お母さんに「またゲームばっかりしてゴラァ!」と叱られてる子供達には希望の光になったかな・・・?(今はeスポーツも人気だしね)
☆あの侍さん・・八丸のこと「場数は私以上 歴戦錬磨の男」とか言ってたけど、たしかに・・ナナシとの通信対戦だけでも 1億戦以上と言ってましたよね。 次に会う時、ナナシ・・強くなってるでしょうね。早く出てこないかなぁ(いいキャラだと思うから)
☆今回の勝利は、アンの祈りが八丸の侍魂を《浄化》したから・・なのかな。アンの祈りがそれだけ純粋で濁りの無いものだったからなのかも。というか、アン・・目がぱっちりして可愛くなってきてる。。
☆早太郎(小)、かわいい! 今の姿だけじゃなくて、時々小さく変化できればいいのにと思っていたので良かった! 作品の「マスコット的存在」をつくるなら、やっぱり早太郎(小)がいいだろうなぁと思うし。
☆今回も、八丸は相手の侍に「ありがとうございました!」と気持ちよくお礼をし、アンにも「さっきは本当にごめん!」とまた謝っていましたね。 しかも言葉だけじゃなくって、すぐ取り入れていってる・・
☆「相手から学んでいく」という話で連想するのが NARUTOに出てくる「サイが描いていた絵本」。 サイと兄さんが別々の道を歩んで、それぞれ敵と戦って、敵が身につけていたモノ(戦利品)を次々と自分に加えて「成長していく」絵が描いてあったんですよね。 あれは「ナルトとサスケが別々の道を歩いて、それぞれ出会った敵との戦いで何かを学び成長し、最後に出会う」ストーリーを予告していたモノだと思ってますが・・・「出会った人から学んで成長していく」スタイルは、八丸も同じだなぁと思う。
☆竜も少し変わってきた・・? 骨河のセリフに「誰が?」と聞かずに「オレ達と同じだ」なんて言ってたし、ラスト八丸にも「誰が?」とか聞かなかったし。
☆たまに自分も「これが何の役に立つ?」って思う事があります。ブログ書いてても、たしかに何かの役に立ってる実感はないけれど・・いずれ無駄じゃなかったと思えたらいいな;
☆八丸が言ってた「義を見てせざるは勇無きなり」は、第1話ゲームの中で達磨も言ってましたが、NARUTOでも出てきます。 それと「無駄な寄り道なんてない」という話は、ナルトが木ノ葉丸に教えた「火影の道に近道なんてない」を思い起こさせます・・
(木ノ葉丸の「寄り道」の雑考と、「義を見てせざるは勇無きなり」の雑考記事です。参考までにぜひ↓↓)
サムライ8八丸伝第22話 アンと兄 感想
《ぐちゃぐちゃに絡まっててほどけない記億》
《ずっと絡まってた結び目を解こうとしてきた》
《でも分かってた》
《本当は私・・・》
《兄さんの事 忘れたくなんかなかったって!》
《八丸くんと出会って》
《繋げたままでいたかったんだって!!!》
さて、今回は「アン」のお話でしたが、アンもキリッといい表情になってきた・・・(ぽわ~んとしているのも可愛いんだけれど)
このところ、ストーリーが一本道だったから、ちょっと刺激とか「え?」な展開が欲しかったので、こういった「横道」は歓迎!
・・そうか、アンも「孤児」だったんですね。
アン「も」と言ったのは、岸本作品(ってNARUTOだけど)には「親がいない子供達」が多く登場したからなんですが、彼らに共通して言えるのは《自分の存在を認めて欲しがっている》ということ、そして《居場所を探していた》ということ・・だった。 ナルトがそうだったし、孤児だったカブトが《ボクは自分を認めず何者かも分からないでいた》けど、最後にやっと《ボクは他でもない――カブトなんだと》と気付いて終わる・・・これはまだ記憶に新しい。 カブトも最初は名前が無くって、「カブト」と名付けてもらって、やっと「自分と居場所」を得たような気がしてたんですよね。
そして・・アンのお兄さんも「名無し」だったんですね。 というか、ここでは孤児は全員名前が無く「名無し」だったとはね・・ つまり、あの「ナナシ」も「孤児の一人だから名無し」という訳でしたか。
ナナシは《ボクは他人から見えない透明人間》と言っていたけれど、それはなにもナナシだけじゃなくて・・・すべての名無しくん達に言えることだったんですね。
名前が無いーーーーつまり「この世での存在を認められていない、存在が無いに等しい」。 だから《透明人間》。
人間ってのは、固有の名前で呼んでもらえて、周りから必要とされて・・そして誰かとつながることで やっと「自分」を認識出来るような気がするんです。 鏡に映った姿を見て認識するだけじゃなく、「他人の目から見た自分」を知る事で「自分=ボク」を認識できるような。 ボクってこういう名前で、こういう役割があって、周りからこう思われているんだ・・と知る事で、やっと《自分像》をイメージできる。 だから、それが無かったら「輪郭の無い透明人間」になっちゃって、自分が分からないんじゃないだろうか・・・?
その中でも アンの兄さんは、名無しと呼ばれる中で《自分は七志》と名前を決めて、自分の存在を失わないように、自分が消えないように・・必死に生きていたんですね。 アンにもちゃんと「アン」という名前を付けてあげて。 ここまでは、微笑ましいいいエピソードだった。
兄さんは、アンを守って「誰かに必要とされる存在」になりたかったんだと思うんですよね。 でも、アンを守れなければ「存在しないのと同じ」になってしまう・・それで焦っちゃったのかなぁ。 あまりにも悲しい・・残酷な結末だった。
(ああやってロッカーボールの前でいくつもの大切な命が失われたんだろうなぁと思うと・・・正直、あまりいいシステムとは言えないと思ってしまうんだけど)
「アン」の名前・・・達磨が言ってたみたいな、あんな難しい由来(阿吽)じゃあないのかもしれないけど、もしかしたら「話すのが苦手だったアン」の為に兄さんが「一番言いやすい名前」をつけてあげたんじゃないだろうか。 でも、アンは「自分の名前を言うのが一番苦手」だったんですよね。
自分の名前を言うことは「兄さん」を思い出すことになるし、「過去の自分=忘れようとしている自分」を認めることになってしまう。 だから言いにくい・・言いたくなかったのかな。
そして、アンが大切な思い出を忘れて「違う自分に生まれ変わりたかった」のは、「過去の自分が不幸だったから」という以上に、兄さんを「自分のために苦労させて命を落とさてしまって、なのに自分は何も出来なかった」からだと思うんです。 その点は、八丸と同じですよね。 八丸も「自分のせいで父ちゃんに苦労させて、親孝行も出来なかった」と思ってた・・(「思ってた」=過去形)。
だけど、アンが《本当は兄さんの事忘れたくなんかなかった》《八丸くんと出会って 繋げたままでいたかったんだって》と気付いたのは・・・「この時」だったんじゃないかと思うんです。 それは第15話、
八丸が、
《オレ・・今まで自分が不幸だと思ってたんだ・・ だからアンに嘘ついて隠したんだ・・ 昔の事・・》
《でも父ちゃんはそんなオレとの今までを “楽しい生涯だった”って言ってくれた》
《父ちゃんとの事を思い出せば思い出すほど オレもそうだったんだって気付いたんだ》
・・と言った時。 このとき、アンは「・・・!」はっとしてる。
「兄さんと自分」もそうだったんだ・・いや、「本当は気付いていたことに気付いた」といいますか。 これでやっとアンは「兄さんとの日々、過去の自分」を受け入れることが出来たんですね。
八丸と兄さんがつながって、そして八丸とアンもつながった・・ そして過去と現在もつながった。 だからアンは「あの時できなかったこと」をやろうとしている・・
(アンの兄さんが最後に言った言葉は「これでアンを守れる・・完璧な侍に」だった)
兄さんは全部「1人で完璧に」やろうとしたんですね(何だか誰かさんを連想しちゃう)。 そうか、それでだったのか・・・
この前、八丸が「オレは完璧じゃない!でもーーー」と言った時、アンが力強く「だ・・だから私がいるんです!」と言ったのは。
ふだんだったら「人の話を最後まで聞いて!」というアンが、なぜかあの時、八丸の言葉を途中で遮った。 そして「そんなの分かってます!」と言った・・・ 《でも》とか言わなくていい、完璧じゃなくていい・・・《だから私がいる!》と力強く答えてたんですね。 力強い「自分自身の肯定」。 これ以上ないほどの力強い「自分の存在意義の肯定」です。 アン自身が感じる「自分がこの世で必要とされている」実感・・・これがアンに強さを与えたんですねぇ。 あの時に出来なかったことを、今やろうとしている・・
八丸がつないで、そしてアン自身がつないだ「兄さんとアン」・・そして「過去と現在」。 そしてアンが認めることが出来た、兄さんがくれた「アン」の名前と・・そしてアンが「ここに居る理由」。 これからは、もう「アン」と堂々と誇らしく自分の名前を言えるようになるんじゃないのかな・・?
☆ ナナシも、竜も「自分」が分からなかったけど、「名前」と「自分の存在」・・・これからも大切なテーマになっていきそうですね。
☆アンが思い起こす兄の背中の「七」と八丸の背中の「八」。
「七」って漢字は本来「切る(骨を切る)」という意味。で「八」は「別れる」という意味。 どっちも繋がりを切っちゃうとか別れちゃうとか、あんまりいい意味じゃないんだけど・・その逆境の中でも「つなげる、つなげていく」・・そういうことでもあるのかな?
☆ 最近、アンの話し方が少しスムーズになってきてる気がするんだけれど・・・これからもっと上手く話せるようになるだろうか。 心の中の声は、スムーズだったし・・。
☆アンの祈りの力が凄まじい。 達磨が目をカッと見開いて《正解だ!》と言ったり、相手の侍に(これほどの強い「繋がり」があるのは長年に渡る信頼が不可欠)と驚かれたり。 八丸もアンも、凄い成長スピード・・・ ま、いずれ「銀河最強の侍と姫」になるなら このぐらいグイグイいかないと間に合わないかな・・・
☆「つながり」とか「名前」とか・・「完璧じゃないから誰かが助けてくれる」とか、凄く岸本先生っぽい。61~62巻のカブト(イタチのイザナミ)とかなり重なる・・・ やっぱり岸本先生が伝えたいメッセージなんだろうと思うけど・・もっと「まったく新しい視点の」新鮮な何かも欲しいなぁとか(という願望);
☆次は21日発売。時間があるので、スルメすることにします・・!(サムライ8をスルメするのかNARUTOでスルメするのか未定ですが)
☆駄文、読んでくださって感謝。
☆現在、台風の中におります;どうか、皆さんご無事でありますように・・!
(サムライ8八丸伝第22話 アンと兄 感想・・・サムライ8八丸伝感想・考察ブログ! 2019/10/12)
サムライ8八丸伝第21話「白く輝く刃」感想
今週ラストの《白く輝く刃》の絵・・・「きれい」だった。
鋭い衝突なのに、ぶつかってる中心が曲線で交わってるからなのかな・・・「柔らかさ」も感じるんですよね。 今までの《斬る》イメージとちょっと違うような。 相手を斬って倒す衝突というよりも、相手と「共鳴」しているかのような・・「手合わせ」という感じといいますか。 なんとなく、ここからも八丸は「斬る」よりも「つなぐ」侍なんだなぁ~なんて思ったりして。
で・・・さて、今週のサムライ8 ですが。
扉絵に「戦闘加速」とありますが、八丸の成長もやたらと加速してますな・・!
竜には(八丸 こいつのセンスはオレより上だ)と言わせ、達磨には「拙者より速い」と言わせ、さらに突如現れた神々しい侍に(いい「勇」を見せてくれる!)と言わせて、最後には達磨が・・
《!!!!》
《こ・・これは・・白く輝く侍魂ッ‼?》
《ついにーー目覚め始めたか 八丸!》
「ついに」って・・・いや、そこ「もう目覚めちゃったのか?」じゃないかとも思ったんだけど・・・
《白く輝く侍魂》ってのは八丸の最終形態だと思っていたから、ずいぶん早いような気がしちゃった。 八丸の成長スピード、半端ない。。。
同じく「加速」してるように思ったのは、話を「詰め込んで進めてる感があるところ」。 今回出てきたセリフに「岸本先生が伝えたいであろうメッセージ」が山ほど詰め込まれてるような・・ 例えば、ざっとあげてみてもこんなにある・・・
・「斬る」より「つなぐ」(守る)
・口先ではなく「行動」で意志を表す
・「何が何でも」であっても「卑怯な手」はダメ
・「ごめんなさい」と「ありがとう」
・敵もまた「師」である
・完璧じゃないから仲間がいる
・大切なのは「何のために」
イカにも岸本先生らしいメッセージ。 どれもスルメ的にじっくり味わいたいのですが、中でも印象に残ったのは《何のために》。 八丸、《何が何でも》になりすぎてアンを忘れちゃってましたもんね。 何のために侍は戦うのか忘れてしまってた・・・
八丸って「夢中になると周りが見えなくなる」し、意外と脆いところもある。 竜との練習でも《何が何でも》過ぎちゃって自分の首飛ばしちゃってましたもんね; アレはあれで「面白い発想」なんて思ってたけど、後先考えない発想ともいえる・・・ 達磨は「八丸の危なっかしさ」を心配してたのかもしれませんね。
で・・その達磨ですが、ビッグマウスの骨河が「アンちゃん、オレが付いてる心配するな」なんて言いだした時、「それは八丸の役目だが可能性がないわけではない」なんて言ってましたよね。 え??それってどういうこと?と思ったのですが・・・ 達磨は、八丸が本当に「アンを守れるか」少し不安だったのだろうか? (八丸は《何が何でも》で何をしでかすか読めないし) 。
(実際、骨河式に大口を叩く侍や「漁夫の利」を得ようとする侍はリタイアしていき、八丸は順調に進んだように見えたけど、「剣に溺れ辺りが見えておらん」状態になってアンを守るのを忘れてしまい、突如現れた神々しい侍がアンを助けてくれるのだが・・)
んーー・・八丸って自分の技術面での成長スピードの速さに、精神面や経験がついていってないというか。
達磨は、そのあたりにも不安を抱えていたんでしょうねぇ。 アンを助けてくれた侍との「勝負」になった時、達磨は《この勝負 どちらに転んでも何かを得る 近道か‥遠道か・・》と考えてましたよね。 本来ここで負けたら「主催者=鍵の一人かもしれない侍」に会えなくなっちゃうわけで、何が何でも負けられない場面なんですが・・それでも達磨は「負けても良し」と考えてる。 遠道でもいいと考えてる・・
達磨はかつての一番弟子(アタ)に裏切られちゃってるし、「師」としては失敗者でもあるんですよね。 アタも「剣に溺れて大切なものを見失った」のかもしれない・・
《ゆっくりでよい》・・は達磨自身の戒めでもあるのかな。 「早くすべての鍵を揃える事」よりも「今ここにある鍵を育てる」方が大切だと考えているのかも。
八丸は、失敗してもすぐ学ぶ。 相手に「自分の非」を指摘されると、素直に認めて反省する。 そして「ありがとう」とお礼を言って、アンに「ごめん」と謝る。 そしてすぐに直していく。 八丸のこういうところ、本当に純粋で素直ですねぇ~・・だからこそのバツグンの吸収力、抜群の成長力。 すぐに吸収する八丸だからこそ、1つ1つの過程がすっごく大切になってくるんですね。 そして、達磨もそれを大切にしようとしている・・・
それにしても、絶妙なタイミングで「八丸の勇の質を見抜く侍」が現れてくれましたね; コレも八丸の「引力」のおかげ?
その直前に、達磨が《金剛夜叉流ーー》と何か仕掛けて、そのままになってるのが気になる・・・ 結局、アレは何だったんだろう・・?
☆口先だけで人任せな骨河に、達磨は「協力」を求めてましたよね。 で、骨河も意外とそれを楽しんでいたような気がする。 骨河って、本当は自信が無いのかも。
だけど「自分も誰かの役に立つ」と気付いたら、骨河も「変わる」んじゃないのかな? そうしたら「いい男」になれるかな・・。
☆気になる「主催者」ですが、参加者のリタイアも認めてるし、やられても「散体」はしないように配慮するなど、気持ちは優しそう。
☆アンも、すごいパワー見せてますねぇ・・生け花で見せたような迫力あるパワー・・
彼女も過去に何かあったんですね(お兄さん・・)
☆達磨、スナイパーを使う時は骨河に目を借りてましたけど、他の場面でもまるで見えているかのような言動なんだけど・・;
☆あの神々しい侍も、達磨が「八丸の師(猫の師と言ってる)」であるとよく分かりましたね;
☆その侍と対峙する絵、見開きを使っての絵・・・いい構図だったなぁ。 今週も、隅々まで手抜きなしの素晴らしい絵。 アンの表情も良くなったような。 大久保先生、ちゃんと睡眠とってますか・・?
☆次回は今週土曜日12日発売。 今後、「えぇぇぇ??」みたいな展開も期待したい!
A展開でもなくB展開でもなく、C展開だった・・みたいな。
☆バトルロイヤル、ロワイヤルとご入力してました;訂正します;
☆駄文、読んでくださって感謝。
(サムライ8八丸伝感想・考察ブログ! 2019/10/07)