サムライ8八丸伝第38 話「アンと八丸と五空」(今週のジャンプ感想)・・ウサギとカメと「戀(恋)」の物語
さて今週のサムライ8、面白かった・・! 簡単に感想を言うならば・・「ウサギとカメ」と「恋(戀)」の物語だったような。??
「運命がなんだって?」
(ズバッ)
「!?」
「運命の姫は運命の侍に付くもんだ! で・・オレがその運命の侍だ!」とのたまった八丸を、五空がズバッと斬った・・
いやぁ・・・五空の容赦ない刃が ここでは小気味よかった!
『「侍」としての心構えを履き違えている』
・・うん、八丸はそうだったかもしれないね。 いつもニコニコ爽やかで、口調も極めて丁寧な五空ですが、言う事はハッキリ言いますなぁ~~!!
時には鼻につく言動(八丸にとっては)があったり、「余計なお世話的」にお節介なところもある。 だけど、それは 五空本人が言ってたように《ボクには姫がいない だから君のような何も分かってない侍を見ると 我慢ならないだけだ》・・・放っておけなかったのだと思います。 大切なモノの「大切さ」を分かってない奴が、それを失ってしまうのを・・このまま放っておけなかったんじゃないだろうか。
・・ところで。
今回一番《気になった絵》はコレでした。
はい、“ウサギとカメ”さんです。
これがまたね・・実にいいタイミングで、入るのですよ。
まずは、最初に五空と八丸がバチバチと衝突して「はじまる」ところで《ウサギとカメ》の絵。 さらに、試合で八丸が負けて「くっそーーー」と悔しがる場面で《ウサギとカメ》。 次に、いよいよ五空が八丸にガツンと「お説教」して、八丸とアンはそれぞれキリク姫(千さんの姫)と千さんに相談して・・そこで《ウサギとカメ》。そうしていよいよ八丸とアンは互いの気持ちを確かめるために向き合う・・・ という感じに、舞台の幕のように場面転換で《ウサギとカメ》の絵が入るのです。 手をつないで仲睦まじく飛ぶ、ウサギとカメさんの姿が・・ だから読んでてまるでキーワードのように気になったのですよ・・《ウサギとカメ》さんが。
(ま、連結して互いの船を行ったり来たりできるようにしたって事なんですがね;いきなり皆が消えちゃってカメさん(洋犬)も驚いたでしょうな・・)
そして《ウサギとカメ》といえば 童話の「ウサギとカメ」・・・
今週の話に限って言えば「ウサギ」が八丸で、「カメ」が五空だったんじゃないかと思うんです。(本来 亀に乗ってるのは八丸だし、兎に乗っているのが五空だから、これも「真逆」あべこべなんですがね;)
・・つまりですね;
《五空に勝負を持ちかけた八丸は「ひとつ言っとくが 運命の姫は運命の侍に付くもんだ!」「で・・オレがその運命の侍だ!」と言ったあと、ズバッと五空に斬られてしまう》・・この部分なんですが、
《姫が付いてる八丸(ウサギ)は、姫がいない五空(カメ)に、勝負しよう!と持ちかけます。でも八丸が「オレには姫がいるから」と気を抜いていると、その隙をつかれて五空に負けてしまうのです》・・とまぁ、ウサギとカメのお話風なのです(と思った)。
ウサギとカメのお話は言うまでもなく「油断大敵」奢るべからずといったお話ではありますが、あの物語のウサギさん・・何で負けたのだろう?
達磨は、八丸が負けたことについてこういってましたよね・・「八丸は本当の敵が見えておらん」と。 ウサギさんの本当の敵は「カメさんではなかった」のだと思います。
ウサギさんが負けたのは「自分の足を過信して油断したから」でもあるけれど、「自分の速い足」を当たり前にあるものだと思っていたこと・・ その有難さや大切さをちゃんと認識していなかったことにもあるんじゃないだろうか。 だから「ほっといたって勝手に勝てる」とでも思っていたのでしょう。居眠りぐらいしたって大丈夫だって・・
八丸は「姫がいるから」と高をくくり、せっかく姫が手助けしようとしているのに「ほっといたって勝手に直る」と断った。 その結果、アンは「行きましょう」という五空の誘いについていってしまrた・・ 完全に「八丸ウサギの負け」です。
「運命」だって、カンタンに逆転されちゃうこともある。「絶対」じゃあないんですよね(ネジの話を思い出すなぁ~・・)
・・というのもですね、今回キリク姫の話から、いろいろとまた「新しい事実」が明らかになりました。 おかげで「今まで疑問に思っていたこと」のいくつかが、今週も解けたってばよ・・・!
「今まで何度も別れた侍と姫を見てきたけど そういう人たちは互いの本質を見てない」
そして侍を失った姫は、
「新たな侍と契りを交わすだけよ」
・・・えっ、そんなカンタンに離婚再婚を繰り返すんかい;
いやはや、そういうシステムだったんですね。 それで「姫無し侍」がかなりいる訳ですか・・。 そして姫は、別れたら新たに見つけたロッカーボールで新しい侍とまた契約する・・・そういう事だったんですね(はぁ~~~やっと少し理解できたよ;)
ということは、かなり「姫側に有利」じゃないですか?このシステム。 姫は別れても、また新たな男・・じゃない侍を見つけられる。 だけど、侍は一度捨てられたら おしまい。 それじゃあ、八丸だって『アンにふられちゃうかもしれない』わけで、うっかりできないって事になる。
だから・・前に達磨が言っていたのかぁ、アレ食べたいコレ食べたいとか言い放題な八丸に「フラれるぞ」と;
でも、これ すっごく重要な事ですよね。 もっと早く、ちゃんと八丸に教えてあげるべきだったんじゃないの・・達磨師匠?? こればっかりは「失って初めてわかる」じゃあ遅いってばよ;
八丸は、いつも側にいてくれるアンの存在を「当たり前」と思い始めていて、その有難さやどれだけ「自分に必要なのか、自分にとって大切なのか」が分かっていなかった・・ 五空には「君はアン姫をちゃんと見てない」と言われた。 見ようとしていない・・というのかな。
この前、不動明王にも こんなこと言われてましたよね。
《お前は箱の中のものを見ている》
《だが気付いていないのだ》って。
大切なモノの大切さに気付いてない・・・ちょっと厳しい言い方をするならば、八丸は「運命」という言葉の上に胡坐をかいていたんじゃないだろうか。
五空は、こんな事も言っていた・・・《運命が必ずしも“恋”に発展する訳じゃない》。
「君と姫の間にあるのは 赤い糸か はたまた縛りつけた鎖か どっちかなぁ?」
「ひとつ言っとくよ」
「恋は人がするものだ」
五空が、八丸に問いかけた「恋」という言葉。 そして五空が仕掛けた「恋」の試練。
「恋」・・なんでいきなり「恋」なんて言い出したんだろうと思ったのですが。
その「恋」の文字・・・
旧字体では、戀。
意味としては《2つの糸が絡んで もつれるようにあって、その間に「言」←これは刃的な意味があるらしいのだけど、これで切ろうとしても切れない、絡んで解れない・・そういう「心」を表す》らしいです(諸説あって、これは諸説を絡めてます)。
そうか、それって・・・前にアンが「七志兄さん」のことを思い出していた時、こんなこと言ってましたよね。
《ぐちゃぐちゃに絡まってて ほどけない記憶》
《ずっと絡まってた結び目を解こうとしてきた》
《忘れたかった・・やっと解けそうだったのに‥》
《私の記憶はまたつながってしまった》
《でも分かってた 本当は私》
《繋げたままでいたかったんだって!》
絡まって解けない糸・・・そして、それは解こうとしても、刃で切ろうとしても解けない。 いや、「繋げたままでいたい」。
それが「戀」=「恋」、「運命の赤い糸」。
八丸が「オレの訓練に付き合え」といった時、五空は「・・・いいですよ」と何か考えついたような表情をしてましたっけ。
そしてあの時、五空はわざと「アンと八丸」の間を「糸」を断ち切ってみせて、その後どうなるか・・八丸に「試練」を与えたんじゃないかと思うんです。 八丸をぶった斬って、アンを連れ出し、ふたりの「糸」を斬ってみせようとした。 いわば「糸」と「糸」の間に「言(刃)」で断ち切って、心を試してみせようというね・・まさに《恋(戀)の試練》です。
それは意地悪でもなく、邪魔をしたかったわけでもなく・・《このままじゃ失われてしまいそうな二人の繋がり》を、五空は放っておけなかったんじゃないかと思うんですよね。 五空には「姫がいない」からこそ・・その有難さ、その存在の尊さが分かるんじゃないだろうか。
人間って、日常の有難さに気付かないし、いつもそばにいてくれる存在の有難さに気付けない。 「箱」の存在のように、すでに見えていても「気付いていない」って事もある。 一番大切なものは、一番そばにあったりしますもんね。
(そして・・千さんキリク姫のアドバイスに従って、最後にちゃんと向き合い確かめることになったアンと八丸ですが)。
「わ・・私が好きなのは・・八丸くんなんだから!」
「私が見てほしいのは・・侍にとって都合のいい姫じゃない・・」
「それはアナタを強くする姫として!? 兄さんはいつだって私をちゃんと見てくれた!」 (アン)
あれアン、最後のセリフ かまずに言えてますね!
そうか、アンはそんなことを考えていたんですね。なんだか・・「都合のいい女とか思ってるんでしょ!」的な・・修羅場のようにも見えてきちゃった(笑)
そして、ここではじめて八丸は「アンの兄さん(七志)」の事を知る。 兄さんは「アンを守るために」侍になろうとしたんですもんね・・「強くなるため」じゃなくって、「アンを守るため」に・・
さて、アンと八丸の絡んだ「糸」はどうなりますやら。
《アンと八丸と五空》・・・三角関係なのかと思っちゃったけど;空がやってみせたことは・・アンと八丸、ふたりの間を「ぶった切る」ことではなくって、しっかり「心」でくっ付ける・・こっちが狙いだったのだと思います(きっと)。
《人の心は分からない》・・だからこそ、五空は二人の間に入って(ちょっと)引っ掻き回して、膿を出してみせたんじゃないだろうか。 ふたりに、互いの《心を見てもらうために》。
だから・・
竜流に言うならば、新メンバー「五空」も・・けっこう「いい奴」なんじゃないかと思います。
「侍の前にちゃんとした武士であるべきだ」
「そして武士である前に・・」
「ちゃんとした人であるべきだ」
これ、サムライ8の「名言」認定ですな・・!
☆長駄文、読んでくださって感謝。
☆ところで「八丸とアン」の間の感情についてなのですが・・
今のところ「恋愛感情」というよりも「家族を求めるような愛情」に近いんじゃないだろうか・・?
アンは八丸に「兄さん」を重ねているし、一方の八丸も アンに「母ちゃん」のイメージを重ねているような。 何でも好きな美味しいご飯を作ってくれて、落ち込んでいるときは励ましてくれて、傍にいてくれて・・って、それは八丸が知らない そして憧れる「母のイメージ」のような気もするんですよね。 前に千さんが、アンと八丸の間に「まるで血縁のような特別なつながり」を感じていたけれど・・ それはそういうことだったんじゃないかと(想像)。今のところ、ですが。
☆今の八丸は、なんか逆になっちゃっているのかもしれない・・アンに兄さんは「アンを守るために侍になろうとした」。 だけど今の八丸は・・「侍であるためにアンを守っている」ような。アンはそれを感じているんじゃないのかな・・
☆でも八丸は、今まで事の深刻さに全然気づいてなかったですよね。まるで悪気もないし・・素直に「アンに甘えていた」気もする。気付いた時には溝が深くなってて「手遅れ」なんてことに・・(私の虫歯と同じだ)、良かったよ気付かせてもらって;
☆五空は侍だけど料理もするし生け花もする。「侍はこうあるべき」という枠にこだわらない・・
☆キリク姫とは千さんの姫様。 キリクと魔女を連想しちゃうけど・・
☆次週辺り「アンの兄さん=七志」(と絡まった糸の話)が出てくるでしょうか・・ってこともあって、次に会う鍵侍は「名無し」つながりで「ナナシ」じゃないかと期待。
☆次は土曜日発売です(今度の土曜日)!
☆「くっつきそうでくっつかないものを繋げたい」・・これで「水月」を連想してしまいました。 水月の「くっつけたい衝動」・・水月とサスケと香燐(ナルト好きブログ!)↓
☆真逆、本末転倒・・といえば、NARUTOでも「火影になった者が皆に認められるんじゃない、皆に認められた者が火影になるんだ」。サムライ8絡みの記事をアップしました↓
サムライ8八丸伝第38 話「アンと八丸と五空」(今週のジャンプ感想)
2020/02/17